ある春の夕暮れ、エリアムは痩せた土地に鍬を振るっていた。西の空がざくろ色に染まる…
灰が舞い、風がうなる荒野。その中心に、ひとりの老人が座っていた。衣はぼろぼろ、頬…
その年の冬は、シュシャンの城に、いつもより長い影を落とした。ネヘミヤは、王に仕え…
(語り手:神殿に仕えるひとりの下級祭司の視点から) それは、暑さがまだ地面に残る…
アラムの王ベン・ハダデの軍勢は、先月の小競り合いでまたしても勝利を収め、ガリラヤ…
夜明け前の闇が、ヨルダン川の流域をまだ深く覆っていた。冷たい砂の上に腰を下ろし、…
その日、モアブの平原は異様な静けさに包まれていた。乾いた風が、砂礫を微かに転がす…
シナイの荒野は、朝露が岩肌をぬらす頃にも、もう乾いた風が立ち始めていた。テントの…
朝、霧が幕のように幕屋の庭に垂れていた。冷たい湿り気が麻の衣を通して肌に伝わり、…
夜は深く、エジプトの空には砂塵の匂いがたちこめていた。ゴシェンの地に並ぶ粘土煉瓦…