ヨハネの黙示録 第1章に基づく物語

その日、ヨハネはパトモス島にいた。彼はそこで、神の言葉とイエス・キリストの証しのために苦難に遭い、島に流されていた。彼は孤独な日々を過ごしていたが、心の中には常に神への信仰が燃えていた。ある安息日のこと、ヨハネは祈りにふけり、神の御声を聞こうとしていた。その時、突然、天が開かれ、彼の前に驚くべき光景が現れた。

彼の背後から、ラッパのような大きな声が聞こえた。その声は力強く、まるで雷鳴のようであった。ヨハネは驚いて振り返ると、七つの金の燭台が彼の前に立ち現れた。その燭台の中央には、人の子のような方が立っていた。その方は長い衣をまとい、胸には金の帯を締めていた。その頭と髪の毛は雪のように白く、目は燃える炎のようであった。その足は炉で精錬された青銅のように輝き、声は大いなる水の音のようであった。

その方は右手に七つの星を持ち、口からは鋭い両刃の剣が出ており、顔は太陽がその力を発するときのように輝いていた。ヨハネはこの光景を見て、恐れおののき、その場に倒れ伏した。すると、その方は彼に手を伸ばし、「恐れるな。わたしは初めであり、終わりである。生きている者である。わたしは死んだが、見よ、世々限りなく生きている。そして、死と黄泉の鍵を持っている。」と言われた。

その方はさらに、「あなたが見たことを、すなわち、今あることと、この後に起ころうとすることを書き記しなさい。わたしの右手にある七つの星と、七つの金の燭台の奥義はこうである。七つの星は七つの教会の使者であり、七つの燭台は七つの教会である。」と語られた。

ヨハネはこの言葉を聞き、心に深く刻みつけた。彼はこの幻を見た後、神の御心を人々に伝える使命を再び強く感じた。彼はこの出来事を詳細に記録し、七つの教会に送る手紙を書くことを決意した。その手紙には、それぞれの教会に対する励ましと警告が記され、神の御心が明らかにされた。

ヨハネはこの幻を通して、神の栄光と力、そして終わりの日に起こることを預言する使命を再確認した。彼はパトモス島での孤独な日々を過ごしながらも、神の御言葉を伝えるために力を尽くし、後にこの幻を記した書物は「ヨハネの黙示録」として後世に伝えられることとなった。

この物語は、神の御言葉がどの時代にも変わらず、人々に希望と警告を与えるものであることを示している。ヨハネが見た幻は、終わりの日に起こることを預言し、神の御心がすべての人々に明らかにされることを告げている。私たちも、この物語を通して、神の御言葉に耳を傾け、その導きに従うことを学ぶことができる。