以下は、歴代誌第二25章に基づいた物語です。聖書の記述に忠実でありながら、詳細な描写を加えて物語を展開しています。
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### アマツヤの物語
ユダの王アマツヤは、二十五歳で王位に就いた。彼はエルサレムで五十二年間、王として国を治めた。アマツヤは父ヨアシュの道を歩み、主の目にかなうことを行おうとしたが、その心は完全には主に向けられていなかった。彼は主を恐れつつも、時に自分の力や知恵に頼り、主の導きを忘れることがあった。
ある日、アマツヤはユダの民の中から勇敢な兵士を選び、軍隊を編成した。彼は二十歳以上の者たちを集め、槍と盾を持たせ、戦いに備えさせた。その数は三十万にも及んだ。しかし、アマツヤはさらに力を増すために、イスラエルの王から傭兵を雇うことを考えた。彼は銀百タラントを支払い、イスラエルから十万の勇敢な戦士を雇い入れた。
その時、主の預言者がアマツヤのもとに現れ、こう言った。「王よ、イスラエルの軍隊を連れて行ってはなりません。主はイスラエルとともにおられず、エフライムの子らとともにおられないからです。もしあなたが彼らを連れて行くなら、たとえあなたが勇敢に戦っても、主はあなたを敵の前に敗れさせられるでしょう。主は助けることも、敗れさせることもおできになる方です。」
アマツヤは預言者の言葉を聞き、心に葛藤を覚えた。彼は既にイスラエルの兵士たちに銀を支払っていた。しかし、預言者の言葉を無視することはできなかった。彼は主を恐れ、イスラエルの兵士たちを帰らせる決断をした。彼らは憤りながらも、ユダの地を去っていった。
アマツヤはユダの軍隊だけを率いて、セイルの地に向かった。彼らは塩の谷でエドム人と戦い、大勝利を収めた。アマツヤの軍隊は一万人の敵を打ち倒し、さらに別の一万人を捕虜とした。彼らは捕虜を崖の頂から突き落とし、すべての者が粉々に砕かれた。この勝利は、主がアマツヤとともにいてくださった証しであった。
しかし、アマツヤはこの勝利に驕り、主の力を忘れてしまった。彼はエドムの神々を持ち帰り、それらを礼拝し始めた。これは主の目に悪と映った。主は再び預言者をアマツヤのもとに遣わし、こう言わせた。「なぜあなたは、自分の民をも救うことのできないエドムの神々を拝むのか。あなたがそのようなことをするので、主はあなたを滅ぼそうとしておられる。」
アマツヤは預言者の言葉を聞いたが、心を頑なにした。彼は預言者に向かって怒り、「私たちはあなたを王の顧問に任命したのか。黙っていなさい。さもないと、あなたを打つだろう」と言った。預言者は静かに答えた。「私は知っています。神はあなたを滅ぼそうと決められたことを。なぜなら、あなたはこの悪を行い、私の忠告に耳を傾けなかったからです。」
アマツヤは預言者の言葉を無視し、さらに高慢になっていった。彼はユダの軍隊を率いて、イスラエルの王ヨアシュに戦いを挑んだ。ヨアシュはアマツヤに使者を送り、こう言わせた。「レバノンのあざみがレバノンの杉に、『あなたの娘を私の息子の妻に与えよ』と言った。すると、レバノンの野獣が通りかかり、そのあざみを踏みつけた。あなたはエドムに勝ったことで高ぶり、栄光を求めている。しかし、家にいておれ。なぜ、あなたは災いを招き、自分もユダも共に滅びようとするのか。」
しかし、アマツヤは聞き入れなかった。これは主の御心によることであった。主はアマツヤをエドムの神々に従わせるために、彼を滅ぼそうとされたのである。こうして、ユダとイスラエルの戦いが始まった。アマツヤの軍隊はイスラエルの前に敗れ、兵士たちは皆、逃げ散った。アマツヤ自身も捕らえられ、エルサレムに連れ戻された。イスラエルの王ヨアシュはエルサレムの城壁を破壊し、神殿と王宮の宝物を奪い去った。
アマツヤはその後、十五年間生き延びたが、彼の治世はもはや輝きを失っていた。彼に対する陰謀がエルサレムで起こり、彼はラキシュに逃げた。しかし、陰謀者たちは彼を追い、ラキシュで彼を殺した。彼の遺体は馬に乗せられ、エルサレムに運ばれ、先祖の墓に葬られた。
アマツヤの物語は、主に従うことの重要性と、高慢がもたらす破滅を私たちに教えている。彼は初めは主を恐れ、主の言葉に従おうとしたが、次第に自分の力を過信し、主から離れていった。その結果、彼は滅びを招いたのである。私たちもアマツヤの失敗から学び、常に主に信頼し、謙遜に歩むことが求められている。
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この物語は、歴代誌第二25章の出来事を基に、詳細な描写を加えて再構成したものです。聖書の教えに忠実でありながら、物語としての深みを持たせることを心がけました。