ある日のこと、パウロは愛する弟子テモテに手紙を書き送りました。その手紙の中には、終わりの日に起こる人々の姿が克明に描かれていました。パウロは、テモテが信仰を守り、神の言葉に堅く立つようにと励ましつつ、将来訪れる困難な時代について警告をしたのです。

「テモテよ、終わりの日には困難な時代が来ることを知っておきなさい。」パウロはそう書き始めました。彼の言葉は重く、真剣さがにじみ出ていました。「その時、人々は自分自身を愛し、金銭を愛し、高慢になり、神を冒涜し、両親に逆らい、感謝することを知らず、聖なるものを汚す者となるだろう。」

パウロはさらに続けました。「彼らは情け知らずで、和解せず、中傷し、自制心を失い、残忍で、善を憎む者となる。裏切り者になり、軽率で、思い上がり、神よりも快楽を愛する者となる。彼らは敬虔な姿を装いながら、その実、敬虔の力を否定する者だ。そんな者たちから離れなさい。」

パウロの言葉は、まるで未来を見通しているかのようでした。彼は、テモテがそのような時代に直面した時、どのように振る舞うべきかを教えようとしていました。彼はテモテに、幼い頃から学んできた聖書の教えを思い起こさせました。

「テモテよ、あなたは幼い頃から聖書に親しんできた。それは、キリスト・イエスに対する信仰によって救いをもたらす知恵をあなたに与えるためだ。聖書はすべて神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益である。それは、神の人がすべての良い働きのためにふさわしい者とされ、完全に整えられるためだ。」

パウロの言葉は、テモテの心に深く響きました。彼は、聖書が単なる書物ではなく、神の霊感によって書かれた生きた言葉であることを再確認しました。その言葉は、彼を導き、教え、戒め、正しい道へと導く力を持っていました。

パウロは最後に、テモテに強く励ましの言葉をかけました。「テモテよ、あなたは私の教え、生き方、目的、信仰、忍耐、愛、忍耐、迫害、苦しみをよく知っている。アンテオケ、イコニオム、ルステラで私が受けた苦しみを覚えているだろう。しかし、主は私をすべての苦しみから救い出してくださった。確かに、キリスト・イエスにあって敬虔に生きようとする者はみな、迫害を受ける。しかし、悪人や詐欺師は、人を欺き、欺かれて、ますます悪に陥っていく。」

パウロの手紙を読み終えたテモテは、深い感銘を受けました。彼は、パウロが経験した苦しみや迫害を思い起こし、自分もまたそのような困難に直面するかもしれないと覚悟を決めました。しかし、彼は聖書の言葉に堅く立ち、神の導きに従うことを誓いました。

テモテは、パウロの教えを胸に刻み、教会の人々にそれを伝えました。彼は、終わりの日に訪れる困難な時代に備え、人々が信仰を守り、神の言葉に従うようにと励まし続けました。テモテの働きは、多くの人々の心を動かし、彼らをキリストの愛へと導く力となりました。

こうして、パウロの言葉はテモテを通して広がり、教会は困難な時代にもかかわらず、信仰を守り続けることができたのです。神の言葉は、時代を超えて人々を導き、救いへと導く力を持っていることを、テモテは身をもって示しました。