歴代誌第一の2章に基づいて、物語を紡ぎ出しましょう。この章は、イスラエルの民の系図を記したもので、特にユダ族の子孫について詳しく記されています。ここでは、その系図を物語として再現し、神の約束がどのように世代を超えて受け継がれていったかを描きます。
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### ユダ族の系図:神の約束の継承
昔々、イスラエルの民がエジプトの地を脱出し、約束の地カナンに向かっていた時代。神はアブラハム、イサク、ヤコブに与えた約束を、彼らの子孫に確実に受け継がせようとしていました。その中でも、ユダ族は特別な役割を担っていました。ユダはヤコブの12人の息子の一人であり、その子孫からやがて救い主が現れると預言されていたからです。
ユダには5人の息子がいました。エル、オナン、シェラ、ペレツ、ゼラフです。しかし、エルとオナンは神の前に悪を行ったため、早くに命を失いました。シェラは生き延びましたが、神の祝福はペレツとゼラフの子孫に注がれることになりました。
ペレツの子孫は、やがてイスラエルの歴史の中で重要な役割を果たす者たちとなりました。その中でも、ベツレヘムのエフラタという地に住む一族は、神の特別な導きを受けていました。彼らは羊飼いとして暮らし、神の律法を守り、信仰を貫いていました。
ペレツの子孫の中に、ナフションという人物が現れました。彼はユダ族の指導者として、イスラエルの民が荒野を旅する時に重要な役割を果たしました。ナフションの妹は、祭司アロンの妻となり、彼女を通してユダ族と祭司の家系が結ばれました。これは、神の民が一つとなるための神の計画の一部でした。
さらに、ナフションの子孫の中に、ボアズという人物が現れます。ボアズは、モアブの女性ルツと出会い、彼女を妻に迎えました。ルツは異邦人でありながら、イスラエルの神を深く信じ、その信仰によってボアズの家族に加えられました。この結婚は、神の恵みが異邦人にも及ぶことを示す出来事でした。ボアズとルツの間にはオベデが生まれ、オベデはエッサイの父となりました。エッサイは、後にイスラエルの偉大な王ダビデの父となります。
ダビデは、神に選ばれた王として、イスラエルを統一し、神の御心に従って国を治めました。彼は「心にかなう人」と呼ばれ、神の約束を忠実に守りました。ダビデの子孫から、やがて救い主イエス・キリストが誕生することは、神の計画の中心でした。
このように、ユダ族の系図は、神の約束がどのように世代を超えて受け継がれていったかを示す物語です。神は、アブラハムに与えた約束を、ユダ族を通して確実に成就させようとしていました。その中で、異邦人であるルツが神の民に加えられたことは、神の恵みがすべての人に開かれていることを示しています。
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この物語は、歴代誌第一の2章に記された系図を基に、神の約束がどのように歴史の中で実現していったかを描いています。神は、一つの家族を通して、全世界に救いをもたらす計画を進めておられました。その計画は、やがてイエス・キリストの到来によって完全に成就するのです。