聖書

「ユダの王アサの信仰と勝利の物語」

**歴代誌下14章に基づく物語**

ユダの王アサの治世は、国に平安をもたらす時代の始まりであった。アサは祖父ダビデの心に従い、主の目にかなう正しいことを行った。彼は異教の祭壇や高き所を取り除き、香をたたく柱を打ち壊し、偶像を粉々に砕いた。人々に命じて、先祖の神、主を求めるように勧めた。アサの心は純粋で、主の道から外れることがなかった。

ユダの国は、アサの信仰深い統治のもとで安らぎを得た。主は彼に周囲の敵からの休息を与え、城壁を築き、見張りの塔を建てる機会を備えてくださった。アサは民に言った。「これらの町々を築き、城壁と塔を設け、門にかんぬきを施そう。この地はまだ私たちのものとなっている。私たちが主を求めたので、主は周囲の者から私たちを守り、平安を与えてくださった。」

人々は喜んで働き、ユダの町々は堅固な防壁に囲まれた。兵士たちも訓練を受け、盾と槍を手に戦いに備えた。ユダの軍勢は、勇士三十万、盾と槍を取るベニヤミン人が二十八万に上った。彼らは強く、勇敢であったが、何よりも主に信頼していた。

しかし、その平和は長く続かなかった。エチオピア人のゼラフが百万の大軍と戦車三百台を率いて、マレシャに攻め上ってきたのである。その報せがアサのもとに届くと、王の心は震えたが、彼はすぐに主に目を向けた。

アサはユダの民を集め、マレシャのゼパタの谷に陣を敷いた。彼らは敵の大軍を前にして、圧倒される思いだった。しかし、アサは主に向かって祈りをささげた。

「主よ、力ある者を助けることも、力のない者を助けることも、あなたにとっては変わりありません。私たちの神、主よ、どうか私たちを助けてください。私たちはあなたに拠り頼み、あなたの御名によってこの大軍に立ち向かいます。主よ、あなたは私たちの神です。どうか、人があなたに逆らうことを許さないでください。」

アサの祈りが終わらないうちに、主の霊が戦場に臨んだ。主はエチオピアの軍勢をアサとユダの前で打ち破られた。敵は恐怖に駆られ、逃げ惑ったが、主の前には誰も立ち向かうことができなかった。ユダの兵士たちは追撃し、ゲラルまで進んで敵を打ち、周囲の町々をことごとく略奪した。家畜の群れも多く奪い取り、ゲラルの町々を打ち破った。主の恐るべき力が彼らと共にあったからである。

こうして、アサとその軍勢は多くの戦利品を持ち帰り、エルサレムに凱旋した。彼らは主の勝利を喜び、再び主の御名を賛美した。国には再び平安が訪れ、アサの治世はますます強固なものとなった。

アサはこの出来事を通して、主が真実に信頼する者を決して見捨てられないことを深く悟った。彼はその後も、ユダの国から偶像を徹底的に取り除き、民と共に主の律法に従って歩み続けた。主の祝福はユダの上に豊かに注がれ、アサの統治は長く記憶されるものとなった。

こうして、歴代誌の記すところによれば、アサは心を尽くして主に従い、その信仰は後の世代への模範として語り継がれたのである。

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