**エゼキエル書28章に基づく物語:堕ちた輝ける者**
かつて、神の園エデンにひとりの輝ける存在がいた。その名はツロの王として知られる者であったが、その本質はもっと深く、神に造られた完全な被造物、ケルビムのひとりであった。彼は美と知恵に満ち、宝石のようにきらめくあらゆる石で飾られていた。金細工の笛が彼の内にあり、歩くたびに天の音楽が響いた。神は彼を聖なる山に置き、火の石の間を歩ませ、その栄光をすべて見せた。
彼は初め、神の御心に従い、正しくふるまった。しかし、時とともに、彼の心に高慢が芽生えた。彼は自らの美しさを見て、その輝きに酔いしれ、こう思った。
**「わたしは神のようになり、天の玉座に座ろう。」**
この思いが彼を蝕んだ。彼はもはや造り主を崇めることをやめ、自分自身を拝み始めた。彼の内にあった罪は、商人のように蓄えられ、不正で富を増やした。彼は力に溺れ、隠された知識を求め、神の秩序を乱そうとした。
ついに、神は彼を裁くことを決意した。
**「お前は知恵に満ち、美しく形造られていたが、その心は高慢になった。わたしはお前を地に投げ捨て、王たちの見る前で恥を与える。」**
神の声が響くと、天から火の剣が閃き、彼は瞬く間に聖なる山から引きずり落とされた。かつて彼を包んでいた宝石は砕け散り、金の飾りは灰となった。彼は地に叩きつけられ、かつての栄光は消え去った。彼はもはやケルビムではなく、滅びゆく者となった。
周囲の王たちは震え上がった。彼らはかつてこの輝ける者を畏れ、羨んだが、今や彼は塵にまみれ、力も知恵も失っていた。
**「お前は滅びの穴に落とされ、二度と栄光を取り戻すことはない。」**
神の宣告は決定的だった。彼は永遠に神の前から追放され、闇の中に閉じ込められた。
この物語は、高慢がもたらす滅びを語り、すべての栄光は神に属することを思い起こさせる。神に逆らう者は、たとえ最も美しく、力ある者であっても、必ず滅びに直面する。しかし、神に従う者には、真の栄光が約束されている。
こうして、ツロの王の物語は、後の世への警告として語り継がれた。彼の堕ちた姿は、神の前で自らを高くする愚かさを永遠に示すのである。