**歴代誌下27章に基づく物語:ヨタムの信仰と繁栄**
ユダの王ウジヤの死後、その子ヨタムが王位を継いだ。ヨタムは二十五歳で王となり、十六年間エルサレムで統治した。彼の母は祭司ツァドクの娘エルシャであった。ヨタムは父ウジヤが歩んだ道に倣い、主の目にかなう正しいことを行った。しかし、父とは異なり、彼は主の神殿に侵入しようとはせず、民もまだ堕落していなかった。
ヨタムの治世の初め、彼は心に深い決意を抱いていた。父ウジヤが傲慢のゆえに重い皮膚病に打たれたことを覚え、ヨタムは常に謙遜に主に従うことを誓った。ある夜、彼は宮殿の庭で星空を仰ぎながら祈った。「主よ、どうか私を正しい道に導き、民を祝福してください。私は父の過ちを繰り返しません。」
ヨタムの最初の大きな業績は、エルサレムの城壁の強化であった。彼は工匠たちを集め、城門や城壁の修復に力を注いだ。「この城壁は神の民を守る砦だ。しっかりと築かなければならない」とヨタムは言い、自らも設計に携わった。石を積み上げる作業は厳しかったが、ヨタムは民と共に汗を流し、彼らの信頼を勝ち取っていった。
さらに、ヨタムはユダの山地に幾つかの町を建て、森の中に要塞と塔を築いた。彼は戦略的に重要な場所を選び、敵からの攻撃に備えた。ある日、アンモン人の使者が貢ぎ物を持ってやって来た。ヨタムは彼らを丁重に迎え、平和のうちに彼らを帰した。アンモン人はその後、銀百タラント、小麦一万コル、大麦一万コルを三年間にわたって納めた。これはヨタムの知恵と指導力が周囲の国々にも認められた証であった。
ヨタムの力は次第に強くなり、彼は主の前に正しく歩んだからであった。しかし、彼は決して高ぶることなく、常に主の律法に従って行動した。祭司たちと共に神殿の礼拝を整え、民に犠牲と祈りをささげることを教えた。ある安息日、ヨタムは民の前に立ってこう語った。「主は私たちに繁栄を与えてくださる。しかし、それを当たり前と思ってはならない。主の恵みに感謝し、正義と慈しみをもって歩もう。」
ヨタムの治世の終わり近く、彼は病に倒れた。最期の時、彼は息子アハズを呼び寄せ、こう言った。「主を畏れ、その戒めを守りなさい。そうすれば、あなたの道は栄える。」そして、ヨタムは静かに息を引き取った。民は深く悲しみ、ダビデの町に彼を葬った。
ヨタムの生涯は、主に忠実に従う者がいかに祝福されるかを示すものだった。彼は戦争や混乱の時代にあっても、信仰をもって国を導き、繁栄をもたらした。歴代誌の記者はこう記す。「ヨタムはその行いを主の前に堅くした」と。彼の物語は、神の恵みと導きを求める者への希望の光として、後の世代に語り継がれていった。