**歴代誌第一 24章:祭司の組分け**
主の宮で仕える祭司たちの務めは、神聖で重い責任を伴うものであった。ダビデ王は、神の御心に従い、祭司アロンの子孫である祭司たちを秩序正しく組分けすることを決めた。これは、主への礼拝が絶えることなく、すべてが適切に行われるためであった。
### **アロンの子孫**
アロンには四人の息子が与えられていた。長子ナダブ、次男アビフ、エルアザル、そしてイタマルである。しかし、ナダブとアビフは主の前に異なる火を捧げたため、主の怒りに触れ、命を落とした(レビ記10:1-2)。そこで、祭司の職は残りの二人、エルアザルとイタマルの家系に引き継がれることとなった。
### **ダビデとツァドク、アヒメレクの協力**
ダビデは、時の大祭司ツァドク(エルアザルの子孫)とアヒメレク(イタマルの子孫)を呼び寄せ、祭司たちを組織的に分けるよう命じた。彼らは、神の知恵に導かれ、くじを引いて順番を決めた。これは、人間の思いではなく、主の御心が直接働くようにするためであった(箴言16:33)。
### **二十四組の祭司**
エルアザルの家系からは十六の家長が、イタマルの家系からは八の家長が選ばれ、合計二十四の組に分けられた。それぞれの組には、熟練した祭司が長として立てられ、一年のある期間、主の宮で奉仕することになった。この順番は、聖なる務めが公平に、また途切れることなく続けられるように定められた。
#### **組の順番**
1. **エホヤリブ** ― 最初のくじはエホヤリブの組に当たった。彼らは新年の最初の月から奉仕を始めた。
2. **エダヤ** ― 神殿の務めを引き継ぎ、祭壇の火を絶やさぬよう忠実に働いた。
3. **ハリム** ― 香をたき、聖所の清めを担った。
4. **セオリム** ― 供え物のパンを取り替え、聖所の整えを司った。
…(中略)…
24. **マアズヤ** ― 最後の組はマアズヤであり、一年の終わりに聖なる務めを果たした。
### **奉仕の詳細**
各組は、定められた期間、次のような務めを果たした。
– **朝と夕べの犠牲** ― 毎日、主の前に捧げられるいけにえを準備し、祭壇で火を燃やした。
– **香壇の務め** ― 聖所に入り、金の香壇に香をたき、主との交わりを象徴する祈りをささげた。
– **聖なるパンの交換** ― 毎週、新しい供えのパンを並べ、古いパンは祭司たちの食物とした。
– **祭りの準備** ― 過越祭、七週の祭り、仮庵の祭りなど、イスラエルの祝祭においても、各組が責任を持って奉仕した。
### **神の秩序の確立**
ダビデのこの組織化は、単なる人間の都合ではなく、神ご自身が定められた秩序を反映していた。祭司たちは、主の宮で仕える特権を与えられ、同時に厳粛な責任を負った。彼らは、神の民の罪の贖いのため、聖と俗を分ける役目を担っていたのである。
### **現代への教訓**
この出来事は、教会の奉仕においても重要な原則を示している。
1. **秩序の重要性** ― 神は混乱の神ではなく、平和の神である(コリント第一14:33)。奉仕は計画と秩序を持って行われるべき。
2. **公平な分担** ― すべての働き人が重荷を分かち合い、互いに支え合うべき。
3. **神の主権** ― くじによって決められたように、最終的な決定は神の御手に委ねられるべき。
こうして、祭司たちは代々、主の御前に忠実に仕え、イスラエルの信仰の基盤を支え続けたのである。