**ネヘミヤの改革:神の民の清め**
エルサレムの城壁が完成し、民が喜びに満ちていたある日、ネヘミヤはペルシャの王アルタシャスタのもとへ一時的に帰還することを余儀なくされた。王に仕える役目を果たすためであった。しかし、ネヘミヤの不在中、エルサレムでは再び人々の信仰が揺らぎ始めた。
**異邦人との不適切な交わり**
ネヘミヤがエルサレムに戻ったとき、彼は衝撃的な光景を目にした。祭司エリアシブが、かつて敵対者であったアンモン人トビヤと縁を結び、神殿の倉庫を彼のために用意していたのである。その部屋は、本来は穀物、香料、および祭司たちのための奉納物を収める聖なる場所であった。ネヘミヤの心は激しい怒りで燃えた。
「これは神の家を汚す行為だ!」
ネヘミヤは直ちに行動を起こした。トビヤの家財をすべて外に投げ出し、その部屋を清め、再び神殿の用具と供え物を収める場所として聖別した。彼は祭司たちを集め、厳しく戒めた。
「あなたがたは神に仕える者である。どうして神の家を軽んじ、異邦人のために場所を設けるのか!」
**安息日の冒涜**
さらに、ネヘミヤは別の問題に直面した。安息日にもかかわらず、人々がぶどうを踏み、穀物を運び、市場を開いていた。ティルス人などの商人がエルサレムに入り込み、安息日に商品を売りさばいていたのである。ネヘミヤは彼らを激しく非難した。
「あなたがたは、先祖たちの罪を繰り返している。このような行いが、かつて神の怒りを招き、国が滅びたことを忘れたのか!」
ネヘミヤは直ちに命令を出した。安息日が近づくと、城門を閉じ、商人が入ってこないようにした。彼らが城外で待機しているのを見ると、ネヘミヤは警告した。
「もし再び安息日に商売をしようとするなら、私はお前たちに手を下す!」
商人たちは二度と安息日に近づかなくなった。
**異教徒との結婚問題**
しかし、最も深刻な問題は、ユダヤ人がアシュドド人、アンモン人、モアブ人と結婚していたことだった。彼らの子供たちは、ヘブライ語を話せず、異教の習慣に従っていた。ネヘミヤはかつてのソロモン王の過ちを思い出した。異国の妻たちが彼の心を惑わせ、偶像礼拝へと導いたことを。
ネヘミヤは民の前に立ち、激しく訴えた。
「あなたがたは神の律法に背いている! 異邦の民と結ばれることは、神の怒りを招く!」
彼は彼らをののしり、打ち、髪を引き抜き、神の前で誓わせた。
「二度と異邦人の娘を息子に、また異邦人の息子を娘に与えない!」
ネヘミヤは特に祭司の家系に厳しく、彼らが聖なる務めを汚すことを許さなかった。
**ネヘミヤの祈り**
こうしてネヘミヤは、エルサレムを再び神にふさわしい都とするため、あらゆる汚れを断ち切った。彼の行動は厳しかったが、その根底には神への深い愛と、民を正しい道に導きたいという願いがあった。
最後に、ネヘミヤは神に向かって祈った。
「私の神よ、どうか私を覚えていてください。私があなたの家とあなたの律法のために熱心に働いたことを。どうかあなたの恵みをもって、私を顧みてください。」
こうして、ネヘミヤの改革は成し遂げられ、イスラエルの民は再び神との正しい関係を築く道へと導かれたのである。