**雅歌 第1章：愛の歌の始まり**

太陽がエルサレムの丘を金色に染める頃、若いシュラムの娘はぶどう畑の小道を歩いていた。彼女の肌は日焼けしており、それは兄弟たちのぶどう畑で働いた証であった。彼女は自分が黒いことを気にしていたが、それでも心は愛で満ちていた。

「どうか、あなたの口で私にキスしてください。あなたの愛はぶどう酒よりも甘く、その香りは最高の香料よりも芳しい。」（雅歌1:2）

彼女は心の中で愛する人を思い浮かべながら、王の寝室に運ばれる香料のように、自分も愛する人のもとへ連れて行かれることを願った。彼女の愛は純粋で、何ものにも汚されていない。

「エルサレムの娘たちよ。私は黒いけれども美しい。ケダルの幕屋のように、ソロモンの垂れ幕のようだ。」（雅歌1:5）

彼女は自分を卑下することなく、むしろ神が与えた美しさを認めた。彼女の黒い肌は、太陽の下で働く者としての誇りであり、それは王の宮殿を飾る豪華な織物にも劣らない輝きを持っていた。

愛する人は、彼女を「雌の小馬」と呼んだ。それはエジプトの王の戦車を引くような気高さを表していた。彼女の頬は宝石で飾られ、首は真珠の首飾りで彩られた。

「私たちはあなたのために金の飾りを作り、銀の飾りを添えましょう。」（雅歌1:11）

愛する人は彼女を王の食卓に招き、ぶどう酒と香料でその心を満たした。彼女の魂は愛する人と一つになることを切望し、ぶどう畑の陰で二人だけの時を過ごした。

「私の愛する方は私にとって、エン・ゲディのぶどう畑のかぐわしい蜜の房のよう。」（雅歌1:14）

彼らの愛は神が祝福したものであり、罪に染まることなく、清く燃える炎のように輝いていた。彼女は愛する人の名を口にするたびに、心が躍るのを感じた。

「見てください。あなたは美しい。まことに、あなたは美しい。あなたの目は鳩のようだ。」（雅歌1:15）

愛する人は彼女を褒め称え、彼女のすべてを受け入れた。彼女の心は安らぎ、もはや孤独や不安はなかった。

こうして、二人の愛の歌は始まった。それは神が与えた最も崇高な贈り物であり、この世の何ものにも代えがたいものであった。