**知恵の道と愚かさの道**

ある日のこと、イスラエルの地にヨナタンという名の若者が住んでいた。彼は父から受け継いだ畑で小麦を育て、懸命に働いていた。ヨナタンは主を畏れ、正しい道を歩もうと心がけていたが、隣にはレファエムというずる賢い男がおり、いつも楽をして利益を得ようと企んでいた。

ある夏の日、ヨナタンは畑を耕し、種を蒔き、毎日水をやり、雑草を取り除いた。彼は「正しい人は地の産物を得る」（箴言12:12）という言葉を胸に、誠実に働いた。一方、レファエムは怠け、畑をほったらかしにしていたが、夜ごと盗みを働き、他人の作物を奪っては売り払っていた。

秋が近づき、ヨナタンの畑は豊かな実りで黄金色に輝いた。人々は彼の働きぶりを称え、「主は正しい者を祝福される」と語り合った。しかしレファエムの畑は荒れ果て、雑草だらけで何も実らなかった。彼は腹を立て、ヨナタンの成功を妬み、悪巧みを考えた。

ある夜、レファエムはヨナタンの畑に火をつけようとした。しかし、その時、主の御手が働き、突然激しい風が吹き、火は逆にレファエムの家へと燃え広がった。「悪者のたくらみは欺きをもたらす」（箴言12:20）の通り、彼の悪だくみは自分自身に返ってきたのだ。

翌朝、村人たちはレファエムの家が焼け落ちたのを見て驚いた。ヨナタンは彼を憐れみ、食べ物と衣類を分け与えた。レファエムは悔い改め、涙を流して言った。「わたしは愚かだった。主の道を捨て、自分の欲望に従ってしまった。」

それからというもの、レファエムは心を改め、ヨナタンと共に畑を耕すようになった。村人たちは二人の姿を見て、「知恵ある人は恵みを得、愚かな者は辱めを受ける」（箴言12:8）という真理を深く悟ったのである。

やがて、二人の畑は以前よりも豊かに実り、村全体が主の祝福に満たされた。ヨナタンは「正しい人の道は主に守られる」（箴言12:28）ということを身をもって示し、人々に知恵の道を教えたのであった。

こうして、主を畏れることの大切さと、誠実に歩む者の幸いが、世代から世代へと語り継がれていった。