聖書

「アハズ王の堕落と悔い改めの機会」

**ユダの王アハズの堕落と悔い改めの機会**

ユダの王国で、アハズという名の王が即位した。彼は父ヨタム、祖父ウジヤとは異なり、主の目に悪とされることを行った。アハズはバアルの像を鋳造し、ベン・ヒノムの谷で子供たちを火で焼いて捧げるなど、周囲の異邦の民の忌まわしい慣習に従った。彼は高き所や丘の上、茂った木の下で香をたき、主の怒りを引き起こした。

そのため、主はアハズをアラムの王レツィンとイスラエルの王ペカの手に渡された。アラム軍はユダに攻め上り、多くの民を捕虜として連れ去った。また、イスラエルの王ペカは一日のうちに十二万の勇士を討ち取り、さらに二十万の女や子供たちを捕虜としてサマリアへ連れ帰った。

しかし、その時、主の預言者オデデがサマリアに現れた。彼はイスラエルの軍勢の前に立ち、「見よ、主はユダをあなたがたの手に渡されたが、あなたがたは激しい怒りをもって彼らを殺した。今、あなたがたはユダとエルサレムの民を奴隷としようとしているが、あなたがた自身も主の前に罪を犯しているのではないか?」と叫んだ。

オデデの言葉を聞いたエフライムの族長たち——アズリヤ、ヨハナン、ヒゼキヤ、アマサイ——は捕虜を連れて帰ろうとする兵士たちを制止し、「この捕虜たちをここに連れてきてはならない。我々の罪がすでに大きいのに、さらに主の怒りをユダに対して引き起こそうとするのか?」と言った。そこで、兵士たちは捕虜と略奪品をユダの指導者たちと全会衆の前に置き、彼らを解放した。

捕虜たちはサマリアからエリコの町まで同行され、そこで解放された。彼らは着物を着せられ、足に履物を与えられ、食物と飲み物を受け、弱った者たちはろばに乗せられ、無事にユダの地へと帰された。

しかし、アハズ王はこの出来事をもって主に立ち返ることはなかった。むしろ、彼はさらにアッシリアの王ティグラテ・ピレセルに助けを求め、神殿と王宮の宝物を贈り物として送った。だが、アッシリアは彼を苦しめるだけで、助けにはならなかった。

アハズはますます主に対して不忠実となり、神殿の用具を打ち壊し、神殿の門を閉ざして主の祭壇を荒らした。代わりに、彼はエルサレムのあらゆる街角に異教の祭壇を築き、ユダのすべての町で高き所を建て、他の神々に香をたいた。こうして、彼は主を怒らせ、父祖たちの神を捨てた。

アハズの治世の終わり、主は彼とユダの民をさらに苦難に陥れた。エドム人が襲来し、多くの捕虜を奪い去り、ペリシテ人もユダの丘陵地帯やネゲブの町々を攻め占領した。アハズはますます追い詰められ、助けを求めてアッシリアにすがったが、それはかえって災いを増すだけだった。

彼の死の時が近づくと、アハズは王たちの墓に葬られることもなく、エルサレムの町に葬られた。彼の子ヒゼキヤが代わって王となったが、アハズの罪の結果、ユダは深い傷を負っていた。

この物語は、主に背く者がいかに自らの道を滅ぼすか、そして悔い改めの機会があっても、それを受け入れない者がさらに深い破滅に陥るかを示している。アハズは助けの手が差し伸べられたにもかかわらず、傲慢と不信仰の道を選び、ついに滅びへと向かったのである。

LEAVE A RESPONSE

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です