聖書

「ヒゼキヤ王の信仰とアッシリアの脅威」

### **ヒゼキヤ王の信仰とアッシリアの脅威**
#### **(列王記第二 18章に基づく物語)**

ユダの王国は、長い暗闇の時代を経て、ついに神の御心に適う王を迎えた。その名は**ヒゼキヤ**。彼は父アハズの悪しき行いを退け、主なる神に従う道を選んだ。ヒゼキヤが王位についたとき、彼は二十五歳であった。エルサレムで二十九年間統治し、その治世はユダの歴史において輝かしい転換点となった。

#### **ヒゼキヤの改革**
ヒゼキヤは、先祖ダビデのようにより頼むべきはただ主のみであると悟っていた。彼はイスラエルの神、ヤハウェへの信仰を回復するため、国内の偶像礼拝を徹底的に排除した。高き所を打ち壊し、アシェラ像を粉々に砕き、モーセが作った青銅の蛇さえも粉砕した。人々がそれを「ネフシュタン」と呼び、偶像として崇めていたからである。ヒゼキヤの心は純粋で、主にのみ信頼し、彼に従い通した。そのため、神は彼と共におられ、彼の行くところで勝利を与えられた。

#### **アッシリアの脅威**
しかし、ヒゼキヤの治世第四年、北イスラエルの王ホセアの時代に、強大なアッシリア帝国の王**シャルマネセル**が攻め上ってきた。アッシリア軍は鉄のごとく強く、数え切れない戦車と騎兵がサマリアを包囲した。三年後、ついに北イスラエルの都サマリアは陥落し、民は捕囚として連れ去られた。これは、イスラエルの民が主の戒めを捨て、異教の神々に仕えたゆえの裁きであった。

#### **センナケリブの挑戦**
時は流れ、ヒゼキヤ王の治世十四年、アッシリアの新たな王**センナケリブ**がユダに攻め込んできた。彼は要塞の町ラキシュを包囲し、大軍を率いてエルサレムへ迫った。センナケリブは、誇り高く、神を嘲るような言葉を吐きながら、ヒゼキヤに降伏を迫った。

「お前たちは何を頼みにしているのか? エジプトか? それは折れた葦の杖だ。それにすがれば、手を刺し貫かれるだけだ。お前たちの神、主にすがると言うが、ヒゼキヤはその神の高き所と祭壇を取り除いたではないか。主ご自身が、『ユダを滅ぼせ』と私に命じたのだ!」

アッシリアの使者たちは、ユダの民の前で大声で叫び、彼らの心を挫こうとした。しかし、ヒゼキヤは民に命じた。

「彼らの言葉に答えてはならない。ただ静かにせよ。」

#### **ヒゼキヤの祈り**
ヒゼキヤは衣を裂き、荒布をまとい、主の宮に入って祈った。彼は預言者**イザヤ**のもとに使者を送り、助けを求めた。

「今日は苦難の日、懲らしめの日、恥辱の日だ。子供が産まれようとしても、産む力がないようだ。どうか、主がアッシリア王の言葉を聞き、彼を打ってくださるように。」

すると、イザヤは神の言葉を伝えた。

「恐れてはならない。センナケリブが冒涜の言葉を吐いたが、私は彼の心に縄をつけ、引き戻す。彼は故郷で剣に倒れる。」

#### **神の救いの成就**
その夜、主の御使いがアッシリアの陣営に下り、十八万五千の兵を打ち倒した。朝になると、そこには無数の死体が転がっていた。センナケリブは慌ててニネベへ逃げ帰ったが、ある日、彼は自分の神**ニスロク**の神殿で、二人の息子たちに剣で刺し殺された。

こうして、主はヒゼキヤの信仰に応え、ユダを救われた。ヒゼキヤの物語は、神に信頼する者には必ず救いがあることを、今日に至るまで語り継がれている。

**(列王記第二 18章 完)**

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