**歴代誌第一 25章に基づく物語：賛美の旋律と預言の調べ**

ダビデ王の治世、イスラエルは神の祝福に満ちていた。エルサレムの都には、神の臨在を象徴する契約の箱が安置され、人々は心から主を礼拝していた。王は、神殿での礼拝を整えるため、レビ人たちを組織し、彼らに神聖な務めを割り当てた。その中でも、特に重要な役割を担ったのが、アサフ、ヘマン、エドトン（別名エドン）の三家系の音楽家たちであった。

### **神に選ばれた賛美の者たち**

アサフは、ダビデ王の信頼厚い預言者であり、賛美のリーダーであった。彼の声は深く澄みわたり、琴を奏でる指には神の霊が宿っていた。彼の賛美は単なる音楽ではなく、神への祈りそのものであり、時に預言的な言葉を伴った。彼の子ら、ザクル、ヨセフ、ネタニヤ、アサレラもまた、父の霊を受け継ぎ、神の前に立つ者として成長していた。

一方、ヘマンは、イスラエルの伝説的な賢者、コラの子孫であった。彼は「王の先見者」と呼ばれ、神からの啓示を受ける者として知られていた。ヘマンには十四人の息子と三人の娘がおり、彼らは皆、父から音楽と預言の賜物を受け継いでいた。特に、ブキヤ、マタニヤ、ウジエル、シェブエル、エリモテらの息子たちは、賛美と預言の務めにおいて傑出していた。彼らの歌声は天に届き、神殿の庭に集う人々の心を震わせた。

エドトンの子ら、すなわちシェマヤ、ウジエル、シェバニヤ、マティティヤ、エリプレフ、ミクネヤらもまた、神から与えられた音楽の才能を存分に発揮していた。彼らはシンバルや琴、立琴を用い、力強く、かつ繊細な調べを奏でた。

### **くじによる奉仕の分担**

ダビデ王は、これらの音楽家たちを神殿での奉仕に正式に任命するため、くじを引かせた。彼らは皆、平等に神に仕えるべきであり、誰もが公平に役割を与えられるべきだった。

「主の御前では、身分や年齢ではなく、心と賜物が問われる」とダビデは宣言した。

祭司たちがくじを引くと、アサフの子らは第四組、第八組、第十二組に選ばれ、ヘマンの子らは第一組、第三組、第五組、第七組などに割り当てられた。エドトンの子らは第二組、第十組などに定められた。全部で二十四の組が編成され、それぞれが順番に神殿で奉仕することになった。

### **賛美がもたらす神の臨在**

こうして、神殿では一日中、賛美の声が絶えることがなくなった。朝の供え物が捧げられる時、夕べの香が焚かれる時、音楽家たちは神への感謝と賛美をささげた。彼らの歌声と楽器の音色は、神殿全体を聖なる雰囲気で包み、時には神の栄光が雲のように臨み、祭司たちさえも立ちすくむほどであった。

ある日、アサフの子ネタニヤが賛美を導いていると、突然、彼の口から預言の言葉が溢れ出た。

**「主は言われる。『わたしはわが民を守り、わが契約を堅く立てる。彼らの賛美は、わが御座の前に香のように立ち上る』」**

それを聞いた人々はひれ伏し、神の偉大さを悟った。

### **賛美の継承**

年月が経ち、ダビデ王が世を去った後も、これらの音楽家たちの子孫は代々、神殿で奉仕を続けた。彼らの賛美は、ソロモン王の時代の神殿奉献の時にも響き渡り、バビロン捕囚の後、エズラとネヘミヤの時代にも再び歌い継がれた。

神は、賛美を通してご自身の栄光を現し、民に力を与えられた。歴代誌第一25章に記された者たちは、単なる音楽家ではなく、神の声を伝える「預言者の器」として用いられたのである。

**「主に賛美をささげよ。それは聖なる務め、まことの礼拝である」**——この言葉は、代々のイスラエルの民の心に刻まれ、今日に至るまで神の民の賛美の礎となっている。