**イザヤ書4章に基づく物語：シオンの栄光の回復**

かつて、ユダの地は荒廃し、人々は神の裁きのもとに苦しんでいた。エルサレムの町は戦火に焼かれ、男たちは剣に倒れ、残された者たちは深い悲しみと恥辱に包まれていた。預言者イザヤは、神の厳しい言葉を民に告げたが、その中には遠い希望の光も宿っていた。

### **裁きの後の清め**

その日、主はシオンの娘たちの汚れを洗い流し、エルサレムの血の痕を、裁きの霊と焼き尽くす霊をもって清められた。かつて町は高慢と不義に満ち、富める者は貧しい者を虐げ、祭司たちは形式だけの礼拝を捧げていた。しかし、主の怒りが下り、すべてが破壊された後、残された者たちは心から悔い改め、主を求めた。

残された者、すなわち、シオンに生き残った者はみな、聖なる者と記された。彼らは苦難を通して練られ、真実に神に従う者となった。彼らの名は生命の書に記され、主の民として永遠に守られる約束を受けた。

### **主の栄光の雲**

そして、ついにその時が来た。主は全エルサレムの上に、昼は煙、夜は燃える火の輝きをもって、ご自身の臨在を現された。それは、荒野でイスラエルの民を導かれた雲の柱と火の柱のようであった。主の栄光はシオンを覆い、すべての住む者に安らぎを与えた。

人々は驚き、畏れつつも、喜びに満たされた。かつては罪に覆われたこの町が、今は神の聖なる輝きに包まれている。主の臨在は、焼き尽くす炎ではなく、守りと慰めのしるしとなった。

### **シオンの新しい命**

エルサレムの丘には、主の栄光を慕う民が集い、そこには豊かな実りが与えられた。ぶどうの木は実を結び、畑は穀物で満ち、人々は飢えることがなくなった。主はご自身の民を恥じることがないように、すべての汚れから彼らを清め、正義と真実をもって治められた。

「これは主の御業だ」と、人々は口々に言った。かつての裁きは、今や回復の喜びへと変えられた。主の約束は決して空しくなく、悔い改める者には、必ず救いの道が開かれることを、彼らは身をもって知ったのである。

### **終わりの日に備えて**

預言者イザヤは、この幻を民に語り、終わりの日にシオンが完全に回復されることを告げた。主の日が来れば、すべての敵は滅び、神の民は永遠の平安に入る。その時まで、彼らは信仰をもって待ち望むようにと励ました。

こうして、イザヤの言葉は、苦難の中にある者たちに希望を与え、神の真実を信じる者たちを強めた。シオンの栄光は、ただ人の力によるのではなく、主の恵みと聖なる御手によることを、彼らは決して忘れなかった。

（終わり）