**ホセア書13章に基づく物語**
北イスラエルの地は、かつて豊かな穀物とぶどうの産地として知られ、人々は主の恵みに満ちあふれていた。しかし、時の経過とともに、彼らの心は主から離れ、バアルと呼ばれる偶像を礼拝するようになった。彼らは金や銀で像を造り、それを神として拝み、主がかつてエジプトの奴隷の家から救い出してくださったことを忘れてしまった。
ホセアは、主の言葉を携えて民の前に立ち、彼らの罪を告げた。
「イスラエルよ、お前たちは自らの手で王を求め、私を怒らせた。そして今、その王は塵と化した。彼はお前たちを救うことはできない。なぜなら、私は雲の中にいて、雷とともに現れる主。お前たちの罪は、朝露のように消え去ることはない。」
人々はホセアの言葉を聞きながらも、心を頑なにした。彼らは富と繁栄に酔いしれ、自分たちの力で国を守れると驕り高ぶっていた。しかし、主は彼らに警告を続けた。
「お前たちは、荒野で飼いならされていない子馬のようだ。気まぐれで、導きを拒む。だから、私はお前たちを獅子のように襲い、豹のように待ち伏せる。母の胎内から引き離し、一人で荒野に捨てる。」
やがて、預言の言葉は現実となった。アッシリアの大軍が北イスラエルに押し寄せ、町々は炎に包まれた。人々は剣に倒れ、生き残った者は鎖につながれ、異国の地へと引きずられていった。彼らが頼みとした金の子牛像も、富も、何一つ彼らを救うことはできなかった。
ホセアは、廃墟と化したサマリアの町を見つめながら、涙を流した。
「ああ、イスラエルよ、お前たちは自らの手で滅びを招いた。しかし、主の憐れみは消え去ってはいない。死の力よ、お前のとげはどこにあるのか。陰府よ、お前の滅びはどこにあるのか。私の心は憐れみで満ち、私の愛は燃え上がっている。私は彼らを贖い、再び立ち上がらせる。」
こうして、ホセアは滅びゆく民の中にあっても、主の回復の約束を語り続けた。彼らの罪は深かったが、主の愛はさらに深く、いつか彼らを再び集め、新たな契約を結ぶ日が来ることを告げたのである。