聖書

「神殿に満ちた神の栄光とソロモンへの約束」

**第二歴代誌 第七章:神の栄光とソロモンの祈りへの応答**

神殿が完成し、ソロモン王とイスラエルの民は心から主を賛美し、感謝のいけにえをささげた。その日、空は晴れ渡り、金色の陽光が神殿の壁に輝く純金を照らし、周囲は神聖な静けさに包まれていた。祭司たちは白亜の衣をまとい、銀のラッパを吹き鳴らし、民の歌声が天に届くかのように響き渡った。

突然、天から激しい光が降り注ぎ、神殿を満たした。それは火のようでありながら、燃え尽くすことなく、神の栄光が形となって現れたのである。民は畏れに打たれ、顔を伏せた。主の栄光が神殿に満ちたため、祭司たちさえも中に入ることができなかった。その光は、かつてモーセの時代に幕屋を満たしたのと同じ、神の臨在のしるしであった。

やがて、光が静かに消えると、民は再び目を上げた。ソロモンは深い感動に包まれ、ひざまずいて祈った。「主よ、あなたは天にも地にも住むことのできないほどの大いなる神です。しかし、この場所に御名を置き、僕の祈りに耳を傾けてくださることを約束されました。どうか、あなたの目がこの神殿に向けられ、民の願いを聞き届けてください。」

その夜、主はソロモンに現れ、彼に語りかけた。

「わたしはあなたの祈りを聞いた。この神殿を選び、わたしの名を永遠に留める場所とした。もしも、わたしが天を閉じ、雨を降らせず、地の実りを枯れさせ、あるいは疫病を民に送るとき、わたしの民が悔い改め、この神殿に向かって祈るなら、わたしは天から耳を傾け、彼らの罪を赦し、この地をいやそう。わたしの目は、この場所に注がれている。」

しかし、主の声は厳しくもなった。

「もし、あなたがたがわたしを捨て、他の神々に従うなら、わたしはあなたがたをこの地から引き抜き、この神殿も廃墟とする。かつて栄えたこの場所は、通りすがる者が驚き、『なぜ主はこの地にこのようなことをなさったのか』と問うようになるだろう。それは、彼らが主を捨て、他の神々にひれ伏した報いである。」

ソロモンはこれらの言葉を深く心に刻み、民にも伝えた。彼はさらに二十年をかけて神殿と王宮を完成させ、主の前に正しく歩んだ。

こうして、神殿は神の民の中心となり、主の約束は世代から世代へと語り継がれていった。しかし、その祝福も、民が主に従い続けるかどうかにかかっていたのである。

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