**ミリアムとアロンの反逆**
荒野を旅するイスラエルの民は、燃えるような太陽の下、砂漠の熱風に吹かれながら進んでいた。主の雲の柱は昼も夜も彼らを導き、モーセは神の言葉を民に伝えるために、常に主の幕屋に入っては祈りをささげていた。しかし、そのモーセの立場をねたむ者が現れた。
モーセの姉である**ミリアム**と、兄の**アロン**は、ひそかにこうつぶやいた。
「主はモーセだけに語られるというのか。我々にも語られたではないか。なぜ彼だけがすべてを治めるのか?」
彼らの心には、モーセの権威に対する不満がくすぶっていた。特にミリアムは、預言者としての自負もあり、モーセがクシュ人の女性を妻にしたことを非難し始めた。
「あの異邦人の女は、我々の民にふさわしくない。」
彼らの言葉は、まるで毒を含んだ矢のように、民の間に広がり始めた。
しかし、主はすべてを見ておられた。
突然、主の雲が幕屋を離れ、彼らの前に立ちはだかった。主の声が雷のように響いた。
**「モーセとは違う。彼はわたしのすべての家のうちで忠実な者だ。わたしは口と口とで彼と語り、明らかにし、なぞで話すことはしない。彼はわたしの姿を見るのだ。なぜ、あなたがたは彼を恐れずに非難するのか!」**
主の怒りは激しく、雲が去ると、ミリアムの体は突然、重い皮膚病にかかり、雪のように白く腐れ始めた。アロンは恐怖に震え、ミリアムを見て叫んだ。
「ああ、私たちは愚かだった! この罪のために、ミリアムは滅びる!」
アロンはすぐにモーセのもとに走り、ひれ伏して懇願した。
「わが主よ、この愚かな罪を赦してください。ミリアムが母の胎から出る時に、肉の半ばが腐った者のようにならないように!」
モーセは深く嘆き、すぐに主に叫んだ。
**「神よ、どうか彼女を癒してください!」**
主はモーセに答えた。
「もし、父が娘の顔に唾を吐くなら、娘は七日の間、恥を受けるではないか。彼女を七日間、宿営の外に閉じ込めよ。その後、再び連れ戻すがよい。」
民はミリアムを宿営の外に連れ出した。彼女は七日間、孤独と悔いの中に過ごし、イスラエルの民も彼女が戻るまで、旅を進めることができなかった。七日目、ミリアムは癒やされ、民の中に戻された。
この出来事を通して、主はすべての民に教えられた。
**「わたしが選んだ者に逆らうことは、わたしに逆らうことだ。」**
民は深く反省し、再び主の導きに従って荒野の旅を続けたのである。