**天の選ばれた者たち**
終わりの時が近づく中、ヨハネは幻の中で壮大な光景を目にした。天と地の間に静寂が広がり、まるで神の御心が世界全体を包み込むかのようだった。彼が見上げると、四人の御使いが地の四隅に立ち、天からの風を抑え、海も陸も木々も、すべてが神の裁きの時を待っているように見えた。
すると、もう一人の御使いが東から上って来た。彼の手には生ける神の印が輝き、地と海を損なう権威を与えられていた。御使いは力強い声で叫んだ。
「我々が神の僕たちの額に印を押すまで、地も海も木々も傷つけてはならない!」
ヨハネはその言葉に耳を傾け、次に目にしたものに息を呑んだ。無数の人々が白い衣をまとい、手には棕櫚の枝を持ち、玉座の前で賛美をささげていた。彼らの顔は喜びに満ち、目には涙が光っていた。
「この人々は、大患難を乗り越えて来た者たちです。」と、玉座に座っておられる方の傍らに立つ長老の一人がヨハネに語った。「彼らは衣を小羊の血で洗い、白くしました。だから、神の御前で昼も夜も礼拝をささげることができるのです。もはや飢えも渇きもなく、太陽も炎暑も彼らを苦しめることはありません。玉座の中央におられる小羊が彼らの牧者となり、命の水の泉へと導かれるでしょう。神は彼らの目の涙をことごとく拭い取ってくださるのです。」
ヨハネはその言葉に深く心を打たれた。彼らの白い衣は、この世のあらゆる苦しみに打ち勝った信仰の証だった。棕櫚の枝は勝利のしるしであり、彼らの賛美は永遠に続く神の国の喜びを表していた。
この幻は、神がご自身の民を守り、終わりの時にも決して見捨てないという約束を鮮やかに示していた。たとえ地が揺れ動き、天が暗くなっても、神の印を受けた者たちは永遠の安息に入るのだ。ヨハネはこの光景を心に刻み、すべての信者たちに希望を伝えようと決意した。
**「主の慈しみはとこしえにあり。主に拠り頼む者たちは、決して見捨てられることはない。」**