**ホセアとゴメルの愛の物語**

北イスラエルの地は、神から離れ、バアル崇拝にふけっていた。預言者ホセアは、神の命令により、不貞の女ゴメルを妻に迎えていた。彼女は初めは貞潔であったが、やがて他の男たちのもとへ走り、ホセアを裏切った。しかし、神はホセアにこう命じられた。

**「再び行って、あの女を愛せよ。ほかの男に愛され、姦淫の女であっても、主がイスラエルの子らを愛されるように、彼らがほかの神々に向かい、干しぶどうの菓子を好んでも、それを愛せよ。」**（ホセア3:1）

ホセアは心を痛めながらも、神の言葉に従い、ゴメルを探しに出た。市場の喧噪の中、かつての妻は、もはや輝きを失い、奴隷として売られようとしていた。彼女の目には、自らの罪の結果が映っていた。ホセアは胸が締め付けられる思いだったが、銀十五シケルと大麦一ホメル半を支払い、彼女を買い取った。

ゴメルは震えながらホセアを見上げた。彼女は辱めと後悔に打ちひしがれていた。「なぜ……私のような者を……？」と彼女が呟くと、ホセアは静かに答えた。

**「あなたは長い間、私のもとにとどまり、姦淫を行わず、他の男のものにもならない。私もあなたに対してそうする。」**（ホセア3:3）

この言葉は、神がイスラエルと結ばれた契約のようだった。ホセアはゴメルを家に連れ帰り、彼女を清め、再び妻として迎えた。しかし、彼は彼女に言った。

**「あなたはしばらくの間、私と共にいても、夫婦の関係を持たず、孤独の中で過ごさなければならない。」**

これは、イスラエルが神なしで過ごす期間を象徴していた。やがて時が満ちれば、彼らは心から悔い改め、神のもとに帰るだろう。

ゴメルは涙を流し、ホセアの前にひざまずいた。彼女の心は砕かれ、初めて真の愛を知った。ホセアは彼女を優しく抱き上げ、こう約束した。

**「後の日に、イスラエルの子らは帰って来て、彼らの神、主と、彼らの王ダビデを尋ね求める。そして、主の良きものに向かって恐れつつ来る。」**（ホセア3:5）

こうして、ホセアの愛は、神の変わらない愛を映し出した。たとえ人が罪に堕ちても、神は悔い改めの時を待ち、慈しみ深く迎えてくださる。この物語は、失われた者を探し、贖う神の愛の預言だった。