**エゼキエル書42章に基づく物語**
神殿の幻を見ていたエゼキエルの前に、主の御使いが再び現れた。彼はエゼキエルを北に向かう聖なる回廊へと導いた。その場所には、祭司たちのための聖なる部屋が並んでいた。
「人の子よ、目を上げて見よ。これが祭司たちのための聖なる部屋である」と御使いは言った。エゼキエルは細部まで注意深く観察した。その建物は壮大で、壁は光沢のある石で覆われ、細かい彫刻が施されていた。部屋の配置は完璧に計算されており、神の秩序を映し出しているようだった。
北側の建物は長さ百キュビト、幅五十キュビトの広大な構造で、三階建てであった。各階には祭司たちが聖なる務めの前に身を清め、礼拝のための供え物を準備するための部屋が並んでいた。階段はらせん状に配置され、上層へと続いていた。エゼキエルはその階段を上り、一つ一つの部屋を調べた。
「これらの部屋は、祭司たちが最も聖なる供え物を食べる場所である」と御使いは説明した。「彼らは聖なる衣を着て、俗なるものに触れてはならない。務めを終えた後、外に出る前に、ここで衣を替えるのだ」
エゼキエルは部屋の内部を見回した。壁には杉材が用いられ、香ばしい木材の香りが漂っていた。床は磨かれた石でできており、一塵もない清潔さが保たれていた。各室には小さな窓があり、柔らかな光が差し込んでいたが、外部から中を覗くことはできないように設計されていた。
南側にも同じような建物があり、祭司たちのための聖別された空間が広がっていた。エゼキエルはその配置に驚いた。すべてが神の御心に従って計画的に配置されており、何一つ無駄がない。
「この場所は、神と人との間を取り持つ祭司たちの聖域だ」と御使いは言った。「彼らはここで、神の前での務めにふさわしい者として整えられる。主の御前では、すべてが聖でなければならない」
エゼキエルは深くうなずいた。この幻は、神の民がどのように聖なる生活を送るべきかを示していた。神殿の設計の一つ一つが、神の完全なご計画を表していた。
そして、御使いはエゼキエルを建物の外へと導き出した。「見よ、この周囲には壁がある。それは聖と俗を分けるためだ」と語った。その壁は高く、誰もみだりに聖域に入ることができないように守られていた。
エゼキエルは心に深い感動を覚えた。神の御住まいは、ただ壮麗なだけではなく、その一つ一つに深い意味があった。祭司たちの務め、聖なるものと俗なるものの区別、すべてが神の御心に従って定められていた。
「主よ、あなたの御業は完全です」とエゼキエルはつぶやいた。彼はこの幻を通して、神の民が再び聖なる歩みを取り戻すべきことを悟ったのである。
こうして、エゼキエルは神殿の詳細を記録し、後の世代に伝える使命を受けた。すべては、神の栄光が現されるためであった。