聖書

「地の果てからの使者と神の約束」

**イザヤ書18章に基づく物語**

遠い地、エチオピアの川々の向こうから、使者たちがエルサレムにやって来た。彼らは細身で身のこなしが軽く、肌はつややかな黒褐色で、目には旅の疲れと共に、どこか誇り高い決意が宿っていた。その地は、ナイルの流れが幾筋にも分かれて肥沃な土壌を潤し、背の高い葦が風に揺れ、太陽の光を浴びてきらめく、豊かな国であった。

彼らはユダの王ヒゼキヤの宮殿に招かれ、王と預言者イザヤの前に進み出た。使者の長は深々と頭を下げ、こう告げた。

「我々は、南の果ての国から参りました。我が民は、強大なアッシリアの脅威にさらされております。彼らは鉄のごとき軍勢で国々を踏みにじり、抵抗する者を容赦なく滅ぼします。我々は、ユダの王とその神、主なるヤハウェに助けを求め、同盟を結びたいと願っております。」

王ヒゼキヤは沈黙し、イザヤに視線を向けた。預言者の目は遠くを見据え、神の声に耳を傾けていた。やがて、イザヤは静かに語り始めた。

**「地の果ての民よ、聞け。主はこう言われる。**

『見よ、わたしが合図する時、わたしの裁きの時が来る。それは、夏の暑さの中で熟したぶどうが、鋭い鎌で一気に刈り取られるように、速やかに行われる。その前に、あなたがたは、山々に旗を掲げ、角笛を吹き鳴らして、自らを誇示するであろう。しかし、わたしの時が来るまで、あなたがたは待たなければならない。

わたしは静かに、わたしの住まいから見守っている。暑さの中、太陽の光が露を蒸発させるように、わたしはすべてを見通している。刈り取りの時が近づけば、若いぶどうのつるは切り落とされ、花は枯れ、実は鋭い刃によって摘み取られる。その時、地の果ての民の誇りは、山の頂から飛ぶ鳥の餌として投げ与えられ、野の獣たちに踏みにじられるであろう。

しかし、その時、万軍の主に貢ぎ物が捧げられる。それは、強く勇敢な民、背の高く肌の滑らかな民、恐れられるほどの国から、シオンの山、主の御名の住まいへと運ばれて来るであろう。』」

使者たちはこの言葉を聞き、驚きと困惑の色を浮かべた。彼らは、即座の軍事的な援助を期待していたが、預言者の言葉は遠い未来を指し示していた。

イザヤは彼らを見つめ、さらに語った。

「主の計画は人間の思いを超えている。あなたがたは今、アッシリアの脅威に怯えているが、主はすべての国々を御手の中に握っておられる。あなたがたの力や策略ではなく、主の定めた時に、すべては成し遂げられる。今はただ、主を信じて待つ時である。」

使者たちは深く考え込み、やがて静かにうなずいた。彼らはエルサレムを去る前に、神殿で祈りを捧げ、主の導きを求めた。そして、ナイルの川辺へと帰って行った。

時は流れ、やがてアッシリアはその傲慢さのゆえに滅び、エチオピアの民は、後にシオンの山へと貢ぎ物を携えてやって来た。主の言葉は真実であり、すべては定められた時に成就したのである。

**終わり**

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