**知恵の道を歩む者**
昔、エルサレムの丘に沿って広がるオリーブ畑の間に、ヨナタンという名の若者が住んでいた。彼は父から受け継いだ畑を耕し、神の律法を学ぶ敬虔な生活を送っていた。しかし、ヨナタンはある時、町の広場で出会った謎めいた女性に心を奪われてしまった。
その女性は、異国の香りをまとった妖艶な姿で、甘い言葉をささやきながら彼を誘った。「私の家に来なさい。楽しい時を過ごしましょう。愛の盃を酌み交わし、喜びに満たされましょう」と。彼女の目は蜜のように甘く、唇はなめらかなぶどう酒のようだった。ヨナタンはその誘惑に揺れ、一瞬、神の教えを忘れそうになった。
しかし、その夜、彼は父がかつて語ってくれた箴言の言葉を思い出した。
**「わが子よ、私の知恵に耳を傾けよ。私の悟りに心を留めよ。それは、あなたが分別を保ち、唇の知識を守るためだ。異国の女の唇は蜜を滴らせ、その口は油よりも滑らかである。しかし、ついには苦よもぎのように苦く、鋭い剣のように刺す。彼女の足は死に下り、その歩みは陰府に至る。」**(箴言5:1-5)
ヨナタンは震える手で聖なる巻物を広げ、さらに読み進めた。
**「あなたの泉を祝福されよ。若い時の妻を喜べ。愛らしい雌鹿のよう、優雅なかもしかのように。その胸にいつも満足せよ。その愛に常に酔いしれよ。わが子よ、なぜ、あなたは異国の女に心を奪われ、他人の胸に抱かれるのか。実に、人の道は主の目の前にあり、主はその人のすべての道を調べられる。」**(箴言5:18-21)
これらの言葉が、ヨナタンの心に雷のように響いた。彼は跪き、悔い改めの祈りをささげた。「主よ、私は愚かでした。誘惑に負けそうになりました。どうか、私を正しい道に導いてください。」
翌朝、ヨナタンはその女性を避け、代わりに幼なじみのルツのもとを訪ねた。ルツは神を畏れる清らかな女性で、彼女の笑顔は清流のように彼の心を洗い清めた。やがて二人は結ばれ、主の祝福の下、多くの子に恵まれた。ヨナタンは父の教えを守り、知恵の道を歩み続けた。
一方、あの異国の女性は、やがて町から消え、人々は彼女の末路について恐ろしい噂をささやいた。彼女の道は滅びに至り、彼女に従った者たちは、魂を失ったという。
こうしてヨナタンは、**「知恵は命の木、それを握る者は幸いである」**(箴言3:18)という真理を深く悟ったのだった。