**ユダの手紙に基づく物語: 信仰の戦いと神の愛の勝利**
あるとき、イエス・キリストの僕であり、ヤコブの兄弟であるユダは、神に選ばれた人々に手紙を書いた。彼の心は愛と懸念で満たされていた。というのも、ある者たちが密かに教会に入り込み、人々の信仰を惑わし、神の恵みを放縦な生活の言い訳に変えていたからである。
ユダは羊皮紙にペンを走らせ、こう記した。
**「愛する者たち。私たちが共に守り伝えてきた信仰について、必死に戦うように勧めたいと思います。なぜなら、ある人々がこっそりとあなたがたの中に入り込んできたからです。彼らは、私たちの神の恵みを不品行の口実とし、唯一の主権者であり、私たちの主であるイエス・キリストを否定する者たちです。」**
彼の言葉には重みがあった。かつて、神はエジプトから民を救い出したが、不信仰な者たちは荒野で滅ぼされた。また、天使たちでさえ、自分たちの地位を捨てて不品行に走ったため、神は彼らを永遠の鎖につなぎ、暗闇に閉じ込めて、大いなる日の裁きを待たせた。ソドムとゴモラの人々も同じように淫行にふけり、不自然な欲望に走ったため、永遠の火の刑罰を受けたのである。
ユダはさらに警告を続けた。
**「このような者たちは、あなたがたの愛餐のときに一緒に食事をしながら、恐れ知らずに自分自身を肥やしています。彼らは水のない雲、風に吹き散らされる木、実を結ばず、死んでいて、根こそぎ引き抜かれたものです。彼らの口からは大言壮語が湧き出て、人々を欺きます。」**
彼の心には、使徒たちの預言がよみがえっていた。
**「終わりの時には、あざける者たちが現れ、自分たちの不敬虔な欲望のままに歩むだろう。」**
しかし、ユダは聖徒たちに励ましの言葉も与えた。
**「しかし、愛する者たちよ。あなたがたは、最も聖なる信仰の上に自分自身を築き上げ、聖霊によって祈り、神の愛の中に自分自身を保ち、永遠のいのちに向かって、私たちの主イエス・キリストのあわれみを待ち望みなさい。」**
彼は、信仰を守る者たちに、迷っている人々をあわれみをもって助け、火の中から引き出すようにと勧めた。そして、すべての栄光が、唯一の神であり、私たちの救い主であるイエス・キリストに、今も、いつまでも、とこしえにありますように、と結んだ。
ユダは手紙を巻き、信頼できる兄弟に託した。彼の言葉は、教会に広がり、神の民を覚醒させた。不敬虔な者たちの欺きは暴かれ、真の信仰が守られた。そして、神の愛と裁きの両方が、すべての世代に伝えられていったのである。
**「神はあなたがたを躓かないように守り、その栄光の前に、傷のない者として、喜びをもって立たせることがおできになります。唯一の神、私たちの救い主に、栄光と威光、支配と権威が、今も、いつまでも、とこしえにありますように。アーメン。」**
こうして、ユダの警告と励ましは、時代を超えて、神の民を強め、信仰の戦いを勝利へと導いたのであった。