伝道者の書 第七章に基づく物語
エルサレムの丘に夕陽が沈もうとしていた。金色の光が神殿の大理石を照らし、街路には長い影が伸びていた。年老いた知者ケレトは窓辺に座り、羊皮紙に言葉を記していた。彼の指には年月のしわが刻まれ、目には深い思索の跡が浮かんでいた。
「良い名は高価な香油にまさり、死の日は生まれる日にまさる」
ケレトはそう書き記しながら、遠い昔を思い出していた。若き日、彼は富と快楽を追い求めた。宮殿を建て、庭園を造り、あらゆる知恵を探求した。しかし今、彼の心を満たすのは、父から受け継いだこの家と、人々から寄せられる敬愛の念だけだった。
ある雨の午後、ケレトは悔い改めの重要性を説くためにこう記した。
「悲しむ者の家に行くのは、笑う者の家に行くのにまさる。死はすべての人の終わりであるから、生きている者はこれを心に留めるべきである」
彼はかつて、笑いと宴会に明け暮れた日々を振り返った。あの騒がしい祝宴では、杯が交わされ、音楽が鳴り響き、人々は陽気に笑い転げていた。しかし宴が終わると、虚しさだけが残った。一方、先週参加した葬儀では、静かな悲しみの中で人々は人生の儚さをかみしめ、互いに真心から慰め合っていた。
「賢い者の叱責は、愚かな者の歌よりも価値がある」
ケレトは若い商人ヨナタンとの対話を思い出した。ヨナタンは投機に失敗し、すべてを失いかけていた。ケレトが彼を戒め、倹約と慎重さを説いた時、ヨナタンは最初は不機嫌だった。しかし後に、その助言に従って事業を建て直した彼は、感謝の言葉を述べに訪れた。
「愚かな者の笑いは、鍋の下の荊の燃える音のようで、これもまた空しい」
ある夏の夜、ケレトは町の広場で道化師のパフォーマンスを見た。人々は大声で笑い、拍手喝采した。しかし家路につく頃、それらの笑顔は消え、代わりに日常の憂いが顔に浮かんでいた。一時の笑いが、人生の深い問題を解決しないことをケレトは悟った。
「搾取は賢者を狂わせ、贈り物は心を滅ぼす」
王の裁判官を務めていた頃、ケレトは賄賂によって正しい判断がゆがめられる現場を何度も目撃した。立派な学者さえも、金や地位のために道を外すことがあった。彼はこの危険性を深く心に刻み、どんな誘惑にも屈しないよう自らを戒め続けた。
「物事の終わりはその初めにまさり、忍耐する者は高慢な者にまさる」
ケレトは庭のオリーブの木を見つめた。若い頃植えたその木は、何年も実を結ばなかったが、彼は忍耐強く世話を続けた。今ではその木は豊かな実りをもたらし、その油は町中で最高と評判だった。これは人生の真理を如実に物語っていた。
「あなたの心の中で「先の日は今の日よりもまさっている」と言ってはならない。神が両方を等しく造られたからである」
嵐の後、ケレトは荒れ果てた畑を見て落胆した。しかし数年後、その同じ土地が以前よりも肥沃になっていることに気づいた。神のご計画は人間の理解を超えており、一見不幸に見える出来事にも意味があることを学んだ。
「義に過ぎて、自分を賢くしすぎてはならない。なぜ自滅するのか」
ケレトの友人で、律法の専門家だったエリアザルは、細かい規定にこだわりすぎて、人々の真の必要を見失っていた。ついには孤独になり、誰からも避けられるようになった。完全を追求することも、ほどほどが大切だとケレトは悟った。
「悪に過ぎて、愚かであってはならない。なぜ時が来る前に死ぬのか」
一方、神を完全に無視して快楽に溺れる者たちは、早死にするか、悲惨な最期を迎えるのをケレトは見てきた。バアル神に捧げる狂乱の祭りに参加した若者たちの多くは、堕落した生活で身を滅ぼした。
「これらのことを聞け。あなたは知者の言葉を軽んじてはならない。その言葉をあなたの心に保ち」
ケレトは書き終えた羊皮紙を巻き、大切に箱に収めた。彼の人生の探求は、単純でありながら深遠な結論に達していた。完全な義も完全な知恵も人手に届かないが、神を畏れ、その戒めを守ることが人間の本分である。
夕闇が迫り、最初の星が空に輝き始めた。ケレトは静かに祈った。「主よ、あなたの道は高く、私の理解を超えています。しかしあなたを畏れ、あなたの戒めを守ることが、私のすべてであることを知りました」
彼の心に平安が満ち、窓辺のランプの灯りが、知恵の言葉を照らし続けた。




