聖書

夜明けの和解と愛の言葉

夜明け前に目が覚めた。まだ薄暗い寝室には、昨夜焚いた沈香のかすかな香りが漂っている。隣には彼の姿がない。絹の布団には彼の体温がわずかに残っているだけだ。

窓辺に立つと、東の山肌がほんのりと茜色に染まり始めている。庭の石榴の木には露がきらめき、遠くで鶯の声が聞こえる。彼はどこへ行ったのだろう。この時間に。

思い出したのは、昨夜の口論だ。些細なことから始まり、積もり積もった思いが溢れ出した。彼女は無口になり、彼は庭へ出ていった。そして今、彼女はこの空虚な寝床で一人、夜明けを待っている。

「戻ってきて」と彼女は小声でつぶやく。「あなたの不在が、私の胸を締め付ける」

突然、庭から足音が聞こえる。彼だ。手には野の花を摘んだ花束を持っている。露に濡れた彼のマントからは、朝の野原の香りがする。

「どこへ行っていたの?」彼女は窓枠に手をかけながら尋ねる。

「君を探していた」彼の声は朝露のように澄んでいる。「君の声を聞きたくて、君の顔を見たくて」

彼は近づき、花束を差し出す。野薔薇と百合、そして谷間のスズランが露に濡れて輝いている。

「君は美しい」彼は彼女の頬に触れる。「 Tirzah の町のように、エルサレムのように。恐ろしいものは旗を翻す軍勢のようだ」

彼女はうつむく。そんな褒め言葉が恥ずかしい。

「私を見て」彼は優しく彼女の顎を上げる。「君の目は私の心を奪う。君の髪はギレアドの山から下りてくる山羊の群れのようだ。君の歯は洗われた雌羊の群れ、みな双子を産み、一頭も子のないものはいない。君の頬はざくろの切れ目のように赤い」

庭から風が吹き込み、彼女のベールが揺れる。彼はそのベールを取り、彼女の顔をじっと見つめる。

「王女は六十人、そしていつくしめは八十人、おとめは数えきれない。しかし、私のはと、私の完全な者は、ただひとり。彼女はその母のひとり子、彼女を生んだ者にとっては最も大切な者だ。娘たちは彼女を見て幸せだと言い、王女たち、いつくしめたちも彼女をほめたたえる」

彼女は彼の胸に顔をうずめる。彼の鼓動が聞こえる。すべての疑い、不安が消え去っていく。

「ナツメ園へ行こう」彼は彼女の手を取る。「ざくろの花が咲いているかを見に。そこで、私の愛が君に与えられるかどうかを見たい」

彼女はうなずく。二人は手をつなぎ、朝もやの中を歩き出す。庭には蜘蛛の巣に朝露が宝石のように輝き、石榴の花がほのかな香りを放っている。

彼は彼女の手を強く握る。「私の魂は君がいないとき、彷徨い歩く者となった。でも今、君を見つけた。もう離さない」

彼女は彼の横顔を見つめる。朝日が彼の輪郭を金色に縁取る。この瞬間、すべてが完璧だ。口論も不安も、すべてがこの完璧な瞬間のためにあったかのように。

ナツメ園に着くと、ざくろの木々に橙色の花が咲き乱れている。彼は花の一つを折り、彼女の髪に飾る。

「君は美しい、私の愛する者よ。君は美しい。君の目は鳩のようだ」

彼女は微笑む。もう言葉はいらない。二人の愛は、この朝の庭のように、露に洗われ、朝日に照らされて新たにされている。彼女は彼の腕の中に、自分が完全に守られ、愛されていることを知る。

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