聖書

ケバルの幻 預言者の使命

ケバル川の流れは、まるで熔けた青銅のように、夕陽を受けてゆらめいていた。葦の穂が風に揺れ、遠くで砂漠の狐が鳴く。その川岸に、私は一人座っていた。捕囚の民としてバビロンの地に連れて来られてから、もう幾つの月が流れただろう。故郷の匂いさえも、記憶の中ではぼやけかけていた。

その時、突然、風が変わった。さっきまで優しく揺らいでいた葦が一瞬で静止し、川面のきらめきが消えた。空気が重く、甘いような、でもどこか危険な香りに満たされた。私は思わず顔を上げると、そこには先日見たあの栄光の姿が再び立っていた。

御者の足元からは琥珀の炎がもくもくと湧き上がり、四つの顔を持つ生き物たちが翼を広げて周囲を取り囲んでいる。その轟音は、全世界の瀑布が一斉に落ちるような響きだった。私は顔を伏せ、震えるしかなかった。

「人の子よ、立ち上がれ」

その声は、山々を砕く雷のようでもあり、かすかなそよ風のささやきのようでもあった。私はうつ伏せたまま、額が砂に触れるのを感じていた。

「あなたが食べるものを、あなたに与える」

ふと視界の隅に、一巻の巻物が差し出された。それはどこまでも広がり、表にも裏にも文字がびっしりと記されている。近づいてよく見ると、そこには「嘆きと、悲しみと、災いの言葉」が記されていた。

「食べよ。そして行って、イスラエルの家に語れ」

私は震える手を伸ばし、その巻物を受け取った。口に運ぶと、それは蜜のように甘かった。しかし喉を通り過ぎる瞬間、胸の中で鉛のように重く沈んでいくのを感じた。甘さの後に来る苦さ、祝福の裏に潜む審判の重み――それを全身で知らされた。

次の瞬間、御者の手が私を強く押し上げた。私はぐらりと立ち上がり、炎の風に包まれた。翼の音、車輪の轟音、そして生き物たちの叫びが一体化し、私をどこか遠くへ運んでいく。目を開けると、もうケバル川の岸辺ではなく、テル・アビブと呼ばれる私たち捕囚の民の居住地に立っていた。

七日間、私はそこに座り込んだまま動けなかった。胸の中の巻物の重みに押しつぶされそうになりながら、共同体の人々の行き交う様子をぼんやりと見つめていた。彼らの笑い声、泣き声、商売の駆け引き、子供たちの遊ぶ声――すべてが、まるで遠い夢の中の出来事のように感じられた。

八日目の朝、あの声が再び私の内側から聞こえてきた。

「人の子よ、わたしはあなたをイスラエルの家の見張り人とした。あなたがわたしの口から言葉を聞くなら、わたしに代わって彼らに警告しなければならない」

見張り人――その言葉の重みが、ゆっくりと私の全身に染み渡っていった。もし私が悪人に「あなたは必ず死ぬ」と警告せず、彼がその罪の中で死ぬなら、その血の責任は私に問われる。しかしもし警告を与えれば、たとえ彼が聞かなくても、私は自分の命を救う。

「彼らは反逆の家だ」と声は続く。「額を堅くし、心を石のようにしている。だが、あなたがもし彼らに語るなら、たとえ聞かなくとも、彼らの中に一人の預言者がいたことを知るだろう」

風が吹き抜け、埃が舞い上がる。私はゆっくりと立ち上がり、最初の一歩を踏み出した。道行く人々は好奇の目で私を見つめる。ある者は嘲笑い、ある者は無視し、ある者は少し距離を置いてついてくる。

最初の言葉は、砂漠で乾ききった唇から絞り出すようにして出てきた。それは私の声とは思えなかった。長い沈黙の後で、声帯が軋むように響く。

「主はこう言われる――」

人々の歩みが止まる。視線が一点に集まる。しかし彼らの目には、理解よりも困惑の色が浮かんでいる。私の言葉が、彼らの耳には異国の言葉のように響くのだろうか。それとも、心の頑なさが、言葉を跳ね返しているのだろうか。

それから毎日、私は集落の広場に立ち、家々を訪ね、川辺で出会う人々に語り続けた。時には石を投げられ、時には嘲笑われ、時には無視された。しかし胸の中の巻物の重みは、私を前に進ませずにはおかなかった。

ある夕暮れ、年老いた女が近づいてきた。彼女の目には、深い悲しみの跡が刻まれている。

「預言者よ」と彼女はささやくように言った。「あなたの言葉は真実だ。私たちは罪を犯し、この地に散らされた。でも、希望はあるのか?」

私はしばらく黙っていた。巻物には災いの言葉が記されている。しかし、その文字の間から、ほのかな光が透けて見えるような気がした。審判の向こう側にある回復、散らされた後の集い、砕かれた後の建て直し――

「主は言われる」と私は答えた。「わたしがあなたがたを諸国の民の中から連れ出し、散らされた国々から集めるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知るようになる」

老婆の目に、かすかな光が宿った。彼女はうなずき、去っていった。

日が暮れ、星が空に輝き始める。私は一人、小屋の入口に座り、遠くで泣く子守歌の声を聞いている。今日も、私の言葉を聞いて心を動かした者はほんの一握りだった。ほとんどの者は相変わらず頑ななままである。

それでも、胸の中の巻物は少し軽くなったような気がした。主の言葉を語るという使命を、私は果たし続けなければならない。たとえ、それがどれほど孤独な道のりであっても。

風がそっと吹き抜け、遠くで狼の遠吠えが聞こえる。私は顔を上げて暗闇を見つめた。見張り人は、夜が明けるまで眠ってはならない。

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