レハブアムの治世、五年目の秋であった。エルサレムの宮殿では、まだ朝の冷気が大理石の床を伝っていた。王はここ三年、ようやく国を固めたと自負していた。父ソロモンの威光は遠くなり、分裂した北の部族への苛立ちはあるものの、ユダとベニヤミンの民は彼に従っていた。そう思っていた。
しかし、宮廷に仕える老いた祭司たちは、ひそひそと話していた。王が主の目に悪とされることを行っている、と。彼は主の宮での礼拝をなおざりにし、代わりに高き所を再建し、アシェラ像を立てた。民の心は次第に離れていったが、王の耳には届かない。
その年の冬、ナイルの畔から使者が届いた。エジプトの王シシャクが大軍を率いて北上しているという。最初、レハブアムは笑い飛ばした。「父の時代、エジプトは我が国に貢ぎ物を捧げていた。何を恐れようか。」側近たちも同調した。だが、報告は日増しに切迫した。シシャクの軍勢は、ガザを落とし、沿岸の砦を次々に焼き払い、内陸へと侵攻してきていた。その数、戦車一千二百、騎兵六万、そして無数の歩兵。リビア人、スキタイ人、エチオピア人の傭兵隊も従えているという。
エルサレムに最初の動揺が走ったのは、ベトホロンの砦が陥落した報せが入った時だった。町の広場では、疎開する農民の荷車が渋滞し、子供の泣き声が絶えなかった。宮殿の露台から王は、西の丘陵地帯に上がる煙を眺めていた。彼の胸には、かつてない冷たい重りが据えられた。これが現実なのか。父ソロモンが築いた繁栄は、まるで砂の城のように崩れ去ろうとしている。
その夕べ、預言者シェマヤが王の前に現れた。老人は粗末な毛織りの外套をまとい、顔には荒野の風が刻んだ深い皺があった。廷臣たちが彼を怪しむ目で見る中、シェマヤは震える声ではなく、澄んだ、しかし力強い調子で語り始めた。
「主はこう言われる。『あなたがたはわたしを捨てた。それゆえ、わたしもあなたがたを捨て、シシャクの手に渡す。』」
沈黙が部屋を覆った。炉の火がぱちりと音を立てた。レハブアムは玉座の肘掛けを握りしめ、指の関節が白くなった。捨てた。その一言が、彼の胸を鋭く貫いた。かつて、父が亡くなる前に語った言葉を思い出した。「心を尽くして主に従え」。彼はそれを、権力を固めるための古い戒めと軽く考えていた。今、その重みが一気にのしかかってきた。
王はゆっくりと立ち上がった。豪華な王袍が床を引きずった。そして、彼はその場にひざまずいた。周りの将軍や高官たちは驚いて顔を見合わせたが、やがて一人、また一人と跪いていった。絹の衣も鎧も、今は意味をなさなかった。ここにいる者すべてが、同じ罪を犯し、同じ裁きの前に立っていた。
「主は正しい。」レハブアムが絞り出すように言った。「私が、この民が、主に逆らったのだ。」
シェマヤは彼らを見つめ、再び語った。「あなたがたがへりくだったので、主はこう言われる。『わたしは彼らを滅ぼさず、まもなく救いを与える。わたしの怒りは、シシャクの手によってエルサレムに注がれることはない。しかし、彼らは彼の僕となり、わたしへの奉仕と、地上の王国への奉仕との違いを知るようになる。』」
その言葉は、希望でもあり、厳しい宣告でもあった。滅びは免れるが、自由は失われる。
数日後、シシャクの軍勢がエルサレムの目前に布陣した。その眺めは圧倒的だった。陽光を浴びてきらめく無数の槍先、色とりどりの民族の旗、遠くまで続く営火の煙。都の城壁の上では、守兵の顔が土気色になっていた。
レハブアムは自ら城門を出て、シシャクの本営へ向かった。彼の従者はわずかであった。エジプト王は天蓋の下に座し、冷ややかな目でユダの王を見下ろした。交渉と呼べるものはほとんどなかった。シシャクは要求を並べた。ソロモンが築いた金の盾三百、銀の盾無数。宮殿と神殿の財宝のほとんど。そして年ごとの貢ぎ物。
レハブアムはうなずくしかなかった。すべてを差し出した。父の代に職人が心血を注いで造った金の盾は、エジプトの鍛冶場で溶かされ、ブロンズの盾に作り替えられた。それは何よりも象徴的だった。輝きを失い、重く、鈍い光を放つブロンズ。王が主の宮へ行く時、衛兵たちがその盾を持って従ったが、人々はかつての栄光を思い、胸を痛めた。
それからの年、レハブアムは常に隣国を伺いながら、ぎりぎりの統治を続けた。戦争は絶えず、安息は訪れなかった。彼は心の底では、あの跪いた瞬間を繰り返し思い返した。主の言葉は真実だった。彼は滅ぼされずに済んだ。しかし、主の僕としての誇りと、地上の王国への隷属との違いを、骨身に沁みて知らされた。晩年、病に伏した王は、側に置いたブロンズの盾に触れながら、こう呟いたという。
「主を畏れることは、知恵の初め。それを忘れた代償は、この重さだ。」
彼の治世は、戦いと屈辱の中で閉じられた。歴代誌の記者は静かに記す。レハブアムは、へりくだったゆえに、主の怒りが全面的に下ることは免れた。しかし、彼が蒔いた不忠実の種は、後の王たちの時代まで、苦い実を結び続けることになる、と。主の憐れみは深いが、その道から外れた歩みは、必ず代償を伴う。それは、ブロンズの盾の鈍い輝きが、幾世代にもわたって語り続ける教訓であった。




