その日、ヨルダン川の東、荒れ地の縁に設けられた宿営で、火は低くくすぶり、夜の気配…
神殿の石畳は、朝露に湿り、仄かに光っていた。エルサレムの丘には、すでに犠牲の煙が…
岩の隙間から洩れる冷たい風が、頬を刺す。ダビデは膝を抱え、洞窟の奥深くに身をひそ…
その日、曇天の下、ヨブは丘の上に座っていた。風が枯れ草を梳り、遠くで岩を穿つ鈍い…
夜が一番深い刻、シュシャンの城では大理石の廊下に灯ったともしびの炎だけがゆらめい…
夕暮れがエルサレムの石壁を黄金に染める頃、ソロモンは父ダビデが残した宮殿の高台に…
砂漠の風は、昼の灼熱が去った後でも、岩肌に残る熱を運び、亜麻の幕屋の周りをゆるや…
日は白く、砂丘は熱を孕んでゆらめいていた。天幕の影も、その苛烈な光の前では脆い庇…
エペソの港町は、夕暮れの靄に包まれていた。潮の香りが路地に絡まり、遠くで船を繋ぐ…
エルサレムへの道は、砂漠の熱気に歪んで見えた。パウロは額の汗をぬぐいながら、足元…