聖書

贖いの香り

朝もやがシティムの谷を覆う頃、アヒムは囲いの中で一頭の雄羊を見つめていた。背中の毛は粘土色で、足元に近づくにつれて灰白色に変わっていく。その目は琥珀のように澄んでおり、角は完璧な螺旋を描いていた。傷一つない若い羊だ。彼は深く息を吸い、乾いた草と動物の暖かな臭いを胸に満たした。

三日後が過越の祭りである。アヒムは昨年の秋からこの羊を選び、家族の中で最も穏やかで従順なものを特別に育ててきた。餌には新しい大麦の穂を混ぜ、水は毎朝シロアムの池から汲んで与えた。弟のヨナタンが「そこまでする必要があるのか」と嘲るように言った時、アヒムは何も答えなかった。言葉で説明できる類いのものではなかったのだ。

祭りの前日、アヒムは羊の首に柔らかな麻紐をかけ、幕屋へと向かう道を歩き始めた。砂利の道が次第に多くの足跡で踏み固められ、やがて遠くに亜麻布の天幕の頂上が見えてくる。人々のざわめき、土器の音、子どもたちの甲高い声が混ざり合っていた。彼は羊を連れているため、自然と道の端を歩いた。羊は時折、足を止めて道端の矮せい柳の若葉を食べようとした。

幕屋の外庭の入口で、彼は息を整えた。青銅の祭壇から立ち上る煙のにおいが鼻を突く。昨日も多くの捧げ物が行われたのだろう。祭司の付き人を務める若いレビ人が近づき、羊を一目見てうなずいた。

「傷がないか調べる」

アヒムはうなずき、羊の顎を優しく撫でた。レビ人は手慣れた様子で口の中を覗き、蹄を確かめ、背中に手を滑らせた。羊毛の下に隠された小さな痣も、かさぶたもない。

「主に受け入れられるものだ」とレビ人は言った。

アヒムは安堵すると同時に、胸の奥で小さな棘が刺さったような感覚を覚えた。この羊は彼の家で生まれ、囲いの中で兄弟たちと戯れ、彼の手から直接餌を食べてきた。彼は羊の首筋に手を置き、温もりを掌に感じた。

順番を待つ間、彼は目を閉じ、父が同じことをしていた昔を思い出した。父は沈黙した人で、祭りの前夜になると、選んだ動物のそばに座り、一晩中ほとんど動かなかった。幼いアヒムは、父が何を考えているのか理解できなかった。今、この羊の横に立ち、遙か彼方から吹いてくる砂漠の風に頬を撫でられながら、ようやくその沈黙の重みの一端に触れた気がした。

「アヒム、ベン・エリアフ」

彼の名が呼ばれた。アヒムは羊を連れて、青銅の祭壇の北側に指定された場所へと進んだ。ここで自分が屠るのだ。祭司が彼を待っていた。亜麻のエフォドを着たその姿は、動くごとに微かな麻の摩擦音を立てた。

アヒムは羊の頭に手を置いた。手の下で、生命の鼓動が伝わってくる。彼は感謝を述べた。言葉は決められた形式だが、声は少し震えた。彼は鋭利な短刀を取り出し、羊の喉を一気に切った。手際は良くなかった。幼い頃から家畜の世話はしてきたが、屠るのはこれが三度目だ。温かい血が石の受け皿に流れ落ち、鉄のような匂いが立ち上った。彼は目をそらさなかった。これが儀式の現実だ。

次に祭司の仕事が始まる。祭司は器用に皮を剥ぎ、内臓を取り出した。アヒムはじっとそれを見守った。脂肪──腸を覆う網状の脂肪、そして二つの腎臓とその周りの脂肪。それらはすべて、肝臓の小葉の一部と共に、注意深く切り分けられた。祭司の指先は油で光り、太陽の下で白く輝く脂肪の塊を摘まみ上げた。それは生命の豊かさ、主からの賜物そのものの象徴のように見えた。

祭司はそれらを祭壇の上の薪の上に載せた。すぐに炎がそれらを包み、黒い煙ではなく、ほぼ透明な揺らぎを上げ始めた。脂肪が焼ける甘くこってりとした香りが、周囲の血の匂いや塵の匂いを圧倒した。アヒムはその香りを吸い込み、それが胸の中に広がっていくのを感じた。これが「主への食物」、宥めの香りなのだ。複雑な感情が込み上げてきた。厳粛さ。畏れ。そして、ある種の感謝。この炎によって、彼と彼の家族の罪過が洗い清められ、彼らと聖なる神との間に平和──「シャローム」──が回復されるのだという確信が、香りと共に立ち上ってくるようだった。

儀式の残りの部分は、彼にとってはほとんど夢の中の光景のようだった。祭司が胸肉と右のもも肉を取り、奉献の捧げ物として揺り動かす。それが終わると、残りの肉──良質な肉の大部分──がアヒムに返された。それは彼と家族、そして祭司たちが共に食するためのものだ。

アヒムは麻布に包まれたまだ温かい肉の塊を抱え、幕屋の区域から歩き出した。日はすでに西に傾き、彼の影は長く伸びていた。帰路、彼は弟ヨナタンと去年争ったあの石榴の木のそばを通り過ぎた。その時は、境界を巡る些細な口論が、ついには互いを傷つける言葉の応酬にまで発展した。以来、二人の間にあったわだかまりが、今回の捧げ物を思い立った理由の一つだったのかもしれない。

家に着くと、妻と子どもたちが待っていた。彼らは肉を受け取り、早速調理を始めた。かまどの火が輝き、肉を焼く良い匂いが家の中に満ちた。アヒムは庭の井戸のそばに腰を下ろし、遠くで祭壇の炎が夕闇に揺らめくのをぼんやり眺めた。彼の胸の中には、あの脂肪が燃えた時に嗅いだ甘い香りが、まだほのかに残っているようだった。それは赦しの香りであり、和解の香りだった。

やがてヨナタンが訪ねてきた。彼は少しばつが悪そうに立っていたが、アヒムは無言で隣に席を空けた。二人はしばらく沈黙していたが、やがて来る祭りのこと、父が生きていた頃の過越の夜のことを口にし始めた。肉が食卓に運ばれ、家族と客である祭司、そしてヨナタンが共に座った。その肉を噛みしめる時、アヒムは単なる食物以上のものを味わった。それは契約の味、主によって与えられた平和の味だった。彼はヨナタンの顔を見た。弟はうつむき、もぐもぐと肉を咀嚼していたが、やがて顔を上げ、かすかにうなずいた。その目には、久しぶりに見る柔らかい光が宿っていた。

夜が更け、人々が去った後、アヒムは再び囲いのそばに立った。空には無数の星が輝き、羊たちの寝息が穏やかに聞こえる。あの雄羊のいた場所は空っぽだったが、そこには不思議な満たされた静けさがあった。彼はかつて父がそうしていたように、その場に腰を下ろし、遠くで野犬の遠吠え一つ聞こえない漆黒の夜に向き合った。手のひらには、脂の甘い香りが、かすかに、しかし確かに染み付いていた。

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