聖書

「イザヤ書24章: 神の裁きと希望の約束」

**イザヤ書24章に基づく物語:神の裁きと希望の約束**

荒れ果てた大地の上に、重い沈黙が広がっていた。かつて賑やかな町々は今、廃墟と化し、人々の笑い声は消え、代わりに風がうめくように通り過ぎる。太陽は赤く燃え、空は鉛色に淀み、まるで天地そのものが神の怒りを嘆いているようだった。

預言者イザヤは、この光景を前に膝をつき、深い悲しみに打ちひしがれた。主から示された幻は、あまりにも恐ろしいものだった。

**「見よ、主はこの地をむなしくし、これを荒れ果てさせ、これをくつがえし、そこに住む者を散らされる。」**(イザヤ24:1)

かつて豊かなぶどう畑が広がっていた土地は、今や枯れ果て、実をつけることはなかった。町の広場では、高貴な者も貧しい者も等しく飢えに苦しみ、王でさえも民とともに地に伏して助けを求めた。しかし、誰も答える者はなかった。

イザヤは目を上げ、遠くの山々を見た。そこには、かつて異国の神々を礼拝した祭壇が崩れ落ち、偶像は粉々に砕け散っていた。人々は自分たちの手で造った神々にすがったが、それらは何の力もなく、ただの石と木に過ぎなかった。

**「地はその住民の下で汚された。彼らは律法に背き、定めを破り、永遠の契約を捨てた。」**(イザヤ24:5)

人々は神の教えを忘れ、不正に満ちた世界を作り上げた。富める者は貪欲に富を蓄え、貧しい者は虐げられ、正義は地に落ちた。預言者の声に耳を傾ける者はほとんどおらず、人々は快楽と欲望に溺れ、神の警告を嘲笑った。

しかし、ついにその日が来た。

雷鳴が轟き、大地が震え、山々が揺らぐ。主の怒りは、もはや抑えることができないほどに満ちていた。海は荒れ狂い、その波は町々を飲み込み、逃げ場を求める者たちの叫びが響いた。

**「地は裂け、地は砕け、地は激しく揺れる。地は酔った人のようによろめき、あやめの小屋のように揺れ動く。そのそむきの罪は地の上に重く、倒れて、再び起きあがることはない。」**(イザヤ24:19-20)

イザヤは、この裁きがただ破壊のためではなく、すべての不義を清めるためのものであることを知っていた。しかし、彼の心には深い哀れみが湧き上がった。

そして、突然、暗闇の中に一筋の光が差し込んだ。

**「その日、主は天の軍勢と、地の王たちを罰せられる。彼らは囚人のように集められ、穴の中に閉じ込められ、多くの日の後、罰せられる。」**(イザヤ24:21-22)

しかし、裁きの後には、希望があった。

**「万軍の主はシオンの山で、すべての民の前で祝宴を設け、年老いたぶどう酒、脂肪に富んだもの、骨髄に満ちた古いぶどう酒を供される。」**(イザヤ25:6)

イザヤは涙を拭い、再び立ち上がった。この苦しみの先に、神の民の回復があることを信じて。主は決してご自身の民を永遠に捨てることはなく、正義と平和が再び地に満ちる日が来る。

そして、彼は残りの民に向かって叫んだ。

**「主をほめたたえよ! その救いをすべての国に告げ知らせよ。主の御名は堅く立ち、その栄光は地の果てまで及ぶ!」**

こうして、荒れ果てた地にも、やがて新しい命が芽吹く希望が残された。神の裁きは厳しいが、その愛と約束は永遠に変わらない。イザヤはこの真理を胸に、再び民の中へと歩み出した。

(終わり)

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