聖書

ホセア書1章:神の愛と裁きの預言

**ホセア書第1章:神の愛と忠実さの象徴**

ユダの王、ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代、またイスラエルの王、ヨアシュの子ヤロブアムの治世に、主の言葉がベエリの子ホセアに臨んだ。主はホセアにこう命じられた。「行って、淫行の妻をめとり、淫行の子らを受け入れよ。この国は主から離れて淫行にふけっているからだ。」

ホセアは主の命令に従い、ディブライムの娘ゴメルを妻に迎えた。ゴメルは美しい女性であったが、心は主から遠く離れ、他の男たちに傾いていた。やがて、ゴメルはホセアとの間に子を産んだ。主はホセアに言われた。「この子を『イズレエル』と名付けなさい。まもなく、私はイズレエルの流血の罪をイエフの家に報い、イスラエルの王国を終わらせるからだ。」

その日から、ホセアの心は重かった。イズレエルの名は、かつてイスラエルの将軍イエフがアハブの家を滅ぼした場所を思い起こさせた。しかし、今度はイスラエル自身が神の裁きを受けるというのだ。ホセアは幼いイズレエルを抱きながら、神の厳しい御心を感じずにはいられなかった。

時が過ぎ、ゴメルは再び妊娠し、今度は女の子を産んだ。主はホセアに言われた。「この子を『ロ・ルハマ(憐れまれぬ者)』と名付けなさい。私はもはやイスラエルの家を憐れまず、決して赦さない。しかし、ユダの家には憐れみを示し、彼らの神、主によって救う。」

ホセアの心はさらに痛んだ。神の憐れみがイスラエルから取り去られるという宣告は、彼にとって耐えがたいものだった。ロ・ルハマが幼子の頃、ホセアは彼女を優しく抱き、神の厳しい裁きと、それでもなお残る希望について思いを巡らせた。彼は夜ごと、神に祈りをささげた。「主よ、どうか彼らを赦し、再び憐れみを与えてください。」

しかし、神の裁きはまだ終わっていなかった。ゴメルは三度目の子を産み、今度は男の子であった。主はホセアに言われた。「この子を『ロ・アミ(わが民でない者)』と名付けなさい。あなたがたはわたしの民ではなく、わたしもあなたがたの神ではないからだ。」

この言葉は、ホセアの胸を鋭く貫いた。神がイスラエルを「わが民でない」と宣告するとは、どれほど深刻なことか。ホセアはロ・アミを抱きながら、涙をこらえることができなかった。彼は神の預言者としての使命と、夫として、父としての苦悩の間で引き裂かれる思いだった。

しかし、その暗い宣告の中にも、神は希望の光を残された。ホセアは主の言葉を預言した。「イスラエルの人々の数は、海辺の砂のようで量れず、数えられないほどになる。『あなたがたはわが神ではない』と言われたその場所で、『あなたがたは生ける神の子らだ』と呼ばれる日が来る。そして、ユダの人々とイスラエルの人々は一つに集められ、一人の指導者の下に立つ。その日、イズレエルの地には大きな祝福が訪れる。」

ホセアはこれらの言葉を語りながら、神の愛の深さを感じた。たとえ民が背いても、神は決して彼らを完全には見捨てられない。裁きの先には、必ず回復の約束がある。ホセアはゴメルと三人の子どもたちを見つめ、神の愛がどれほど忍耐強く、忠実であるかを悟った。

こうして、ホセアの家庭は神のメッセージそのものとなった。ゴメルは神に背く民を象徴し、子どもたちの名は神の裁きと将来の希望を表していた。ホセアは苦しみながらも、神の御心を人々に伝え続けた。彼の物語は、神の愛がどれほど深く、また神の正義がどれほど真実であるかを、永遠に語り継ぐものとなった。

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