**第二コリント人への手紙 第9章に基づく物語**

ある晴れた日の朝、マケドニアの教会に集まった信徒たちは、エルサレムの聖徒たちへの献金について熱心に話し合っていた。パウロからの手紙が届き、彼らはその内容に深く心を動かされた。手紙には、**「神は喜んで与える人を愛してくださる」**（第二コリント9:7）と記されており、彼らはこの言葉を胸に、自らの信仰を行動に移す決意をした。

### **献金の準備**
教会の指導者であるステパノは、信徒たちを前にして語り始めた。「兄弟姉妹たち、私たちが与えるものは、単なる金や品物ではありません。それは神への感謝の表れであり、信仰の証しなのです。パウロが言うように、『わずかだけ蒔く者はわずかだけ刈り取り、豊かに蒔く者は豊かに刈り取ります』（第二コリント9:6）。私たちの心が寛大であれば、神は私たちにも豊かに与えてくださるでしょう。」

信徒たちは頷き、それぞれが持てるものを差し出した。ある者は小麦や大麦を持ち寄り、別の者は織物や銀貨を献げた。一人の年老いた婦人リディアは、生活費の中からわずかながらも大切な貯えを捧げ、「主が私を支えてくださったように、私も困っている兄弟たちを支えたい」と涙ながらに語った。

### **神の祝福の約束**
その夜、ステパノは祈りの中で神の声を感じた。**「神は、あなたがたがいつもすべてのことに満ち足りて、すべての良いわざにあふれるように、あらゆる恵みをあふれるほど与えることのできる方です」**（第二コリント9:8）。この約束を信じ、彼は翌日、信徒たちにこう伝えた。「私たちの献金は、エルサレムの聖徒たちを助けるだけでなく、神の栄光を現すものとなります。人々は私たちの行いを見て、天の父を賛美するでしょう。」

### **贈り物の旅路**
献金が集まると、ステパノと数人の信徒がエルサレムへと旅立った。道中、彼らは困難に直面した。激しい雨に見舞われたり、盗賊の噂が広がったりしたが、彼らは信仰をもって進み続けた。ある夜、疲れ果てた一行が野営していると、見知らぬ旅人が近づき、パンと葡萄酒を分けてくれた。「これは神からの恵みです」とその男は言い、去っていった。ステパノはこの出来事に神の導きを感じ、感謝の祈りを捧げた。

### **エルサレムでの喜び**
ついにエルサレムに到着すると、彼らは貧しさの中にある信徒たちに献金を手渡した。受け取った人々は涙を流し、「神は本当に私たちを見捨ててはいなかった」と叫んだ。エルサレム教会の長老ヤコブは、ステパノの手を握り、「この愛の行いは、多くの人々の祈りとなり、神への感謝となります」と語った。

### **豊かな刈り取り**
マケドニアに帰ったステパノは、教会で報告を行った。「私たちが与えたものは、単なる物質以上のものを生み出しました。エルサレムの兄弟たちは、私たちの愛に励まされ、信仰を新たにしたのです。まさに、**『あなたがたのこの奉仕は、聖徒たちの不足を満たすだけでなく、神への多くの感謝の祈りであふれるようになります』**（第二コリント9:12）。」

信徒たちは、自分たちの小さな行いが大きな祝福となったことを知り、心から神を賛美した。そして、彼らはさらに寛大に与えることを誓い、信仰の歩みを深めていった。

こうして、神の恵みは与える者にも、受ける者にも豊かに注がれ、教会全体が愛と感謝に満たされたのである。