**エフェソの信徒への手紙 第1章：天にあるすべての霊的な祝福**

遠い昔、まだ時が始まる前から、神は私たちを愛し、ご自身の子として選んでおられました。その愛は深く、計り知れないものでした。神は天地を創造される前から、キリスト・イエスを通して、私たちが聖なる者となり、御前に傷のない者となることをお決めになったのです。それは、ただ神の恵みによるものでした。

エフェソの教会に集う信徒たちは、パウロの手紙を読みながら、この驚くべき真理に胸を震わせました。彼らは異教の町で生きる者たちでしたが、今や神の家族とされ、キリストにあってすべての霊的な祝福を受け継ぐ者とされていたのです。

パウロは手紙の中で、神の栄光に満ちたご計画を語りました。

「神は、私たちをイエス・キリストによってご自身の子とされることを喜びとされました。これは神の御心によることであり、御前での恵みの現れです。私たちは、この愛する御子によって、贖い、つまり罪の赦しを受けました。これは神の豊かな恵みのゆえに与えられたものです。」

信徒たちは、この言葉を聞くたびに、自分たちがかつてどのような者であったかを思い起こしました。彼らは暗闇の中を歩み、この世の力に縛られ、罪の中に死んでいた者たちでした。しかし、神はそのような彼らを憐れみ、キリストの血によって贖い、新しい命を与えてくださったのです。

パウロはさらに続けます。

「神は、私たちにすべての知恵と理解とを豊かに与え、御自身の奥義である御心を明らかにしてくださいました。それは、時が満ちるに及んで実現するご計画です。すなわち、天にあるものも地にあるものも、すべてをキリストにあって一つにまとめられることです。」

信徒たちは、この壮大な神のご計画に畏敬の念を抱きました。キリストはすべてのものの上に立つかしらであり、教会はその体として、神の栄光を現すために選ばれた存在でした。

「あなたがたもまた、キリストにあって真理の言葉、救いの福音を聞き、それを信じたのです。そして約束された聖霊をもって証印を押されました。この聖霊は、私たちが神の所有とされるための保証であり、やがて完全に贖われる日が来ることを確信させてくださいます。」

信徒たちは、この約束を胸に刻みました。彼らはもはや孤独ではなく、神の霊が共に住み、導いてくださるのです。

パウロの手紙は、祈りと感謝で締めくくられました。

「私は、あなたがたの信仰と、すべての聖なる者たちへの愛とを聞き、絶えず感謝しています。どうか、私たちの主イエス・キリストの神、栄光の父が、あなたがたに知恵と啓示の霊を与え、神を知るに至らせてくださいますように。そして、心の目が開かれて、神の召しによって与えられる望みがどれほど栄光に満ちたものか、聖徒たちが受け継ぐ嗣業がどれほど豊かなものか、また、私たち信じる者に働く神の力がどれほど偉大なものであるかを、悟らせてくださいますように。」

信徒たちは、この祈りを共有し、互いに励まし合いました。彼らは、キリストにあって選ばれ、愛され、永遠の嗣業を受け継ぐ者とされたことを深く感謝したのです。

こうして、エフェソの教会は、神の栄光に満ちた恵みのうちに歩み続けました。彼らは、天にあるすべての霊的な祝福を味わいながら、キリストの体としての使命を果たす者となったのです。