**ユダの王ヨシャファトの信仰と繁栄**

ユダの王国に、アサ王の子ヨシャファトが王として即位した。彼は父アサの道に歩み、主の目にかなう正しいことを行った。しかし、ヨシャファトは父以上に主に従う心を持ち、バアルの神々を求めず、ただイスラエルの神、主にのみ信頼を置いた。彼の心は高ぶることなく、父アサが最初に歩んだ道を堅く守り、主の戒めに従って生きようと努めた。

主はヨシャファトと共におられ、彼の王国を堅く確立された。ユダの民はこぞって彼に贈り物を献げ、ヨシャファトは富と栄誉を増し加えられた。彼の心が主の道に熱心であったため、主は彼を祝福し、ユダの国は安泰と繁栄を享受した。

### **主の律法を教える使者たち**

ヨシャファトは、主の御前でさらに信仰を深め、ユダの国中から高き所やアシェラ像を取り除いた。そして、彼は国の指導者たちの中から、主の律法に精通した者たちを選び、彼らをユダの町々に遣わした。これらの使者たちは、レビ人や祭司たちと共に、民の間に主の律法の書を携えて行き、すべての民に神の教えを説き聞かせた。

彼らは町から町へ、村から村へと巡り歩き、人々にこう語った。
**「主を恐れよ。主こそ、あなたがたに与えられたこの地の真の支配者である。主の戒めを守り、その道から離れることなく、忠実に歩みなさい。」**

民は彼らの言葉に耳を傾け、主への畏れがユダの国中に広がった。周囲の国々も、主がヨシャファトと共におられることを知り、彼に対して戦いを挑むことができなかった。

### **平和と軍事力の強化**

主がヨシャファトに与えた平和は、彼の知恵と備えによってさらに強固なものとなった。彼はユダの国中に要塞の町々を築き、多くの倉庫を設けた。また、エルサレムには、勇敢で経験豊かな戦士たちを配置した。

彼らの氏族ごとの記録は次のとおりである。

– **ユダ族**からは、千人隊長アドナを筆頭に、勇敢な戦士三十万人。
– **ベニヤミン族**からは、勇士エリアダを指揮官として、弓と盾に優れた戦士二十万八千人。

これらの兵士たちは、王に忠実に仕え、国を守るために常に準備を整えていた。

### **周囲の国々からの貢ぎ物**

主の威光がヨシャファトの上にあったため、近隣の国々は彼に対して敵対することができず、かえって平和を求めて貢ぎ物を献じた。ペリシテ人の中からも、銀を貢ぐ者が現れ、アラビア人たちは雄羊七千七百頭、雄山羊七千七百頭を贈った。

こうして、ヨシャファトの権威は日に日に増し、彼は強大な王となった。しかし、彼の力の源は軍事的な才能ではなく、主に対する深い信仰と従順にあった。彼は常に民に主の道を教え、正義と公平をもって国を治めた。

### **ヨシャファトの信仰の遺産**

ヨシャファトの治世は、ユダの歴史の中でも特に輝かしい時代の一つとなった。彼は主を求める者に与えられる祝福を体現し、国全体が神の導きによって繁栄する姿を示した。彼の物語は、後の世代に語り継がれ、**「主を信頼する者は、決して見捨てられることがない」**という真理を刻みつけた。

こうして、ユダの国は安泰と繁栄の中に歩み続け、ヨシャファトの名は主に愛された王として、永遠に記憶されることとなった。