**詩篇45章に基づく物語：王の婚礼の日**

美しい朝、黄金の光が都を包み込んだ。エルサレムの街は、この日を待ちわびた喜びに満ちていた。王の婚礼の日がついに訪れたのだ。宮殿の広間には、貴族や高官たちが集い、その華やかな衣装が燭台の光に照らされて輝いていた。宮廷楽師たちが竪琴や笛の調べを奏で、神への賛美が天に昇っていく。

王は威厳に満ち、玉座に座しておられた。その姿は力と栄光に包まれ、正義と真実が彼の統治の基であった。神は彼を祝福し、喜びの油を注がれた。彼の衣は没薬とアロエの香りに満ち、象牙の宮殿からは麗しい音楽が響き渡った。王の右には、王妃が立っていた。彼女は金を織り込んだ衣をまとい、オフィルの宝物のように輝いていた。

宮廷の侍女たち、王の娘たちが王妃に従い、その美しさを引き立てた。彼女たちは喜びと憧れをもって新たな王妃を迎え、贈り物を捧げた。王妃は異国の王女であったが、今やこの国の民となり、王と共に歩む者とされた。父なる王は彼女に言われた。「娘よ、私の声に耳を傾けよ。あなたの民、あなたの父の家を忘れよ。王はあなたの美しさを慕い、彼こそあなたの主である。」

王妃は深く頭を下げ、心から従うことを誓った。彼女の心は王への愛で満たされ、その瞳は忠誠の光を宿していた。都の人々は歓喜し、この婚礼を祝った。王の名は永遠に語り継がれ、国々は彼をほめたたえるだろう。王は正義をもって国を治め、神のごとく公平に民を導かれる。

こうして、王と王妃の婚礼は、神の祝福の下で執り行われた。この日から、王国はさらに栄え、民は喜びに満ちて歩んだ。詩篇の歌うように、「王はあなたの弓を退け、あなたの敵をあなたの足の下に置かれる」と。神は王と共におられ、その統治はとこしえに続くのであった。

（終わり）