**オバデヤ書第1章に基づく物語**

エドムの山々は赤く染まり、岩肌が夕日に照らされて炎のように輝いていた。その高くそびえる岩の砦に、エドムの人々は安住の地を見出していた。彼らは誇り高く、自分たちの知恵と力に頼り、兄弟の民であるイスラエルを見下していた。しかし、彼らが知らなかったのは、神の裁きが静かに迫っていたということである。

### **預言者オバデヤの警告**

ある夜、主の言葉が預言者オバデヤに臨んだ。彼は神の声に震えながらも、その厳かな宣告を書き記した。

「見よ、わたしはあなたを国々のうちで小さな者とする。あなたはひどく侮られる。あなたの心の高慢はあなたを欺いた。岩の裂け目に住み、その高みを居所としているあなたは、心の中で『だれがわたしを地に引き降ろせようか』と言う。たとえ、あなたが鷲のように高く巣をかけ、星の間に住みおろすとしても、わたしはあなたをそこから引き降ろす──主の御告げだ。」

オバデヤはその言葉を聞き、エドムの運命に胸を痛めた。かつて、イスラエルが苦難の時、エドムは兄弟の災いを喜び、略奪者と共に手を組んだ。彼らは逃げるユダの民を捕らえ、敵に引き渡し、災いの日に何の憐れみも示さなかった。

### **裁きの日**

やがて、主の怒りの日が来た。エドムは自分たちの富と要塞に頼っていたが、神はすべてを暴かれた。同盟国と思っていた国々は裏切り、交易路は絶たれ、知恵ある者も勇士も消え去った。テマンの地には恐怖が広がり、エサウの家は滅びの淵に立たされた。

「エサウの家は刈り株のようになり、火は彼らを焼き尽くす。生き残る者はひとりもいない。」

こうして、エドムはかつてイスラエルに加えた仕打ちをその身に受けた。彼らの高慢は崩れ、岩の砦も虚しくなった。しかし、シオンの山には希望が残された。

### **回復の約束**

「しかし、シオンの山には救いがあり、そこは聖なる所となる。ヤコブの家はその所有を取り戻し、火のように燃え上がり、ヨセフの家は炎のようになって、エサウの家を焼き尽くす。彼らには生き残る者がなくなる。主がこう語られたからだ。」

オバデヤはこの預言を語り終え、神の正義と憐れみを思った。エドムの滅びは、高慢に対する警告であり、神の民に対する約束の成就であった。やがて、主の国が立てられ、すべての悪が裁かれる日が来る──その時、主の民は永遠に勝利するのである。

こうして、オバデヤの言葉は後の世代に伝えられ、神の正義と救いの約束が永遠に語り継がれていった。