その日も畑仕事を終え、腰を伸ばしながら西の空を見上げた時、老いたダビデはふと、自分がこんなにも長く生きてきたことに気がついた。手のひらには鍬の柄が刻んだ深い跡が残り、ひざには雨の前触れを告げる鈍い痛みがあった。かつて獅子と対峙したあの若き日々は、今や遠い夢のように霞んでいく。
夕暮れが谷を赤く染め始める頃、彼は小高い丘の上にあるオリーブの木陰に腰を下ろした。風がそよぎ、葉ずれの音が優しく響く。ふと、幼い頃に聞いた子守歌を思い出した。母が紡いだあの旋律は、今ではもう誰も歌う者がいない。
「主よ」彼は唇を動かした。声にはならなかったが、心の内で言葉が湧き上がる。「この身のすべての骨すら、あなたをほめたたえます」
目の前には、去年の嵐で折れた石榴の木が、それでも新たな枝を伸ばしている。折れた傷口からは樹液がにじみ、蟻たちが忙しそうに行き交っていた。命のしぶとさに、彼は深く息を吸い込んだ。
かつて犯した過ちの数々が、時折、夜の闇の中で甦る。ウリヤの顔、ベエルシェバでのあの決断。しかし、東が西よりも遠いように、それらの罪はもう彼から遠ざけられている。それはまるで、朝露が太陽の光を受けて消え去るように。
「父が子をあわれむように、主はおのれを恐れる者をあわれまれる」
彼は自分の子どもたちの顔を思い浮かべた。長子アムノンの傲慢さ、アブサロムの美しい髪。子を思う親心が、どれほど深いものであるかを、年老いた今になってようやく理解できた。そして、その何倍も深い神の慈しみに、胸が熱くなるのを感じた。
風向きが変わり、丘の向こうから羊の群れを連れた少年の笛の音が聞こえてきた。その音色に混じって、はるかエルサレムからは祭司たちの詠唱がかすかに流れてくる。彼は目を閉じ、かつて自分が奏でた竪琴の音を思い出した。あの頃は、まだ神の恵みの広がりを十分に理解していなかった。
「その恵みは、とこしえからとこしえまで主を恐れる者の上にあり」
夕日が沈み始め、空は深紅から紫へと移り変わる。一羽の鷹が風に乗って輪を描き、はるか彼方へ飛び去っていく。この地上の命は草の花のようだ。朝には咲き誇っても、夕べには刈り取られ、明日にはもうない。
しかし。
彼は立ち上がり、震える手で外套をまとった。しかし主の恵みだけは、とこしえからとこしえまで、主を恐れる者の上にある。主の義は、子の子たちの上に。その契約を守る者たちの上に。
帰路につく彼の背中には、もう老いの重さはなかった。歩みは軽く、心は若き羊飼いの日々に戻ったようだ。主がすべての造られたものに、その恵みを忘れさせないように。この感謝の歌を、次の世代へ、そしてまた次の世代へと伝えていかねばならない。
丘を下りながら、彼はまた口ずさんだ。今度は声に出して。
「わがたましいよ。主をほめたたえよ」
その声は夕闇に吸い込まれていったが、心に響く感謝の旋律は、これからも永遠に歌い継がれていくのだろう。




