聖書

朝もやの賛美

エルカナは、朝もやが神殿の丘に漂う頃、ゆっくりと目を覚ました。窓から差し込む最初の光が、粗末な寝床の端をぼんやり照らしている。腰のうずきは、もう何年も前からの友のようなものだ。それでも、口をついて出てくるのは感謝の言葉だった。主をほめたたえよ、わが魂よ。この決まり文句が、彼の一日を形作る礎石であった。

彼は起き上がり、冷たい床石に足を触れさせながら、ゆっくりと身支度を整えた。外では、エルサレムが目を覚ましつつあった。商人たちの声、ロバの蹄の音、どこからか聞こえる子供の泣き声。すべてが混ざり合い、日常の生き生きとした響きを織りなしている。エルカナは、そんなざわめきの中に、ある種の音楽を聴き取っていた。主が造られたこの世界の、不完全ながらも続く営みの旋律だ。

かつては、もっと違う朝を迎えていた。若い頃、彼は宮廷に仕える書記の一人だった。その頃の彼は、違う力に心を奪われていた。時の王の寵愛、権力者の微笑み、そうしたものがいかに脆く、はかなく消えていくものか、知る由もなかった。ある年のこと、王国に疫病が広がり、彼が頼みとしていた高官は、何の力も発揮できずに死んでいった。その葬儀の場で、エルカナは初めて悟った。息のある人間に信頼を置くことの空しさを。その人はその日のうちに滅び、その計画は彼と共に土に還るのだ、と。

今、彼は神殿の境内の片隅で、細々と務めを果たしている。収入は少ない。見た目は貧しい。だが、彼の心はかつてないほど豊かだ、と自分では思っている。日々、彼はこの広場でさまざまな人々を見かける。担架で運ばれてくる病人、物乞いをする孤児、足を引きずる老兵士。彼らを見るたび、詩編の言葉が胸に迫ってくる。

主は、虐げられている者のためにさばきを行い、飢えている者にパンを与えられる。主は囚人を解き放ち、主は盲人の目を開き、主はかがんでいる者を起こされる。

ある暑い午後のことだった。境内で倒れた男がいた。よろめき、そのまま石畳に崩れ落ちたのだ。衣服はぼろぼろで、頬はこけている。多くの人が通り過ぎた。中には顔を背ける者もいた。エルカナは近づき、水を持ってきて、男の口を潤した。男はようやく目を開き、自分は遠くティルスから来た旅人だが、財布を盗まれ、三日もまともな食べ物を口にしていない、とつぶやいた。エルカナには、彼を養う余裕などなかった。彼が持っていたのは、昨夜の残りの一切れのパンと、干しイチジクが少しだけだ。それらを男に与え、そして共に祈った。主は、寄るべなき者を守り、みなしごとやもめをささえられる、と。

それから数日後、エルカナはその男と再会した。男は境内の掃除を手伝う仕事を得て、少しばかりの賃金と食事を約束されていた。顔には生きる気力が戻っていた。彼はエルカナの手を握り、涙ながらに感謝した。エルカナは首を振った。私ではない、と。あなたを起こされたのは、天の父なのだ、と。

夕方、エルカナは西向きの壁際に座り、沈みゆく太陽を見つめた。オレンジ色の光が石壁を染め、次第に影が長くなっていく。彼の心は静かな賛美で満たされていた。主はとこしえに統べ治められる。そうだ、彼はかつて王たちが次々と倒れていくのを見た。偉大な軍勢が、砂のように散っていくのを見た。しかし、主の真実は変わらない。主の計画は揺るがない。

ふと、彼は幼い頃、父に連れられて野原を歩いたことを思い出した。父は空を指さし、こう言った。「見るか、あの鳥たちを。彼らは種も蒔かず、刈り入れもせぬ。それでも天の父が養っておられる。お前は彼らよりも、ずっと価値があるのだよ。」その言葉が、今、深い共鳴をもって胸に戻ってきた。

エルカナはため息をつき、ゆっくりと立ち上がった。日が暮れれば、また寒さがやってくる。明日もまた、痛みと共に目を覚ますだろう。だが、彼の魂は歌うことをやめない。主をほめたたえよ、わが魂よ。私は生きているかぎり、主をほめたたえよう。人間は救いを得られない。その息は絶え、その計画は消える。しかし、ヤコブの神に望みを置く者は幸いだ。その方は真実を守り、虐げられた者に正義を与え、飢えた者にパンを与えられる。主はとこしえに統べ治められる。シオンの神は、代々まで。

彼の足取りは重かったが、その背中には、消えることのない確信の温もりがあった。境内を去りながら、彼はそっと唇を動かした。それは、新たな詩の一節でもあり、単なる老人の呟きでもあった。

「ああ、そうだ。すべてはそこにある。すべての答えは。」

そして、闇が完全に降りる前に、彼の小さな部屋のランプが、ほのかに、しかし確かに灯った。

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