聖書

老祭司の祈り 闇に響く確信

夕暮れが、オリーブの山々の稜線を溶かしつつあった。エルサレムの城壁は、長い一日を終えて、薄紫色の影を谷間に落としている。神殿の丘からは、夕べの献げ物の煙が、ほとんど動かない空気の中をまっすぐに立ち昇り、やがて拡散して、金色に染まった雲の切れ端に溶け込んでいった。

神殿の外庭の片隅で、老祭司ナタンは石の床に腰を下ろし、両膝を抱えていた。彼の指の関節は、長年の儀式と写本の筆写で大きく膨らみ、皮膚は羊皮紙のように乾き、ひび割れていた。目は、遠くのもの、目に見えないものを長く見つめてきた者特有の、かすんだ青色をしていた。今日も、使者がもたらした知らせは重かった。北から、東から、南から。友好を装う言葉の裏に、かすかな鎧の軋む音、野心の匂いがした。

「エドムとイシュマエルが、かすかなほほえみを交わす。」彼は呟くように言った。耳には、若い頃、ギルアデの丘陵で聞いた、モアブの兵士たちの鬨の声が今もこだましていた。あの時、彼らは「さあ、彼らを絶ち滅ぼそう。彼らを国々のうちに置かないようにしよう」と叫んだ。その叫びは、砂漠の熱風のように乾き、残忍だった。

ナタンは目を閉じた。瞼の裏に、白く燃える砂丘、槍の穂先が陽にきらめく光景が浮かぶ。モアブ、アンモン、アマレク、ペリシテ、ツロ…その名を口にするだけで、唇に鉄の味が広がるような連中だ。彼らは地図の上で手を握り合い、油で滑らかになった密約を交わす。まるで、主の囲い込まれた庭園を、分け前のように切り分けようとするかのように。

「ご覧ください。彼らは一つ心になり、陰謀を企てる。それはあなたに逆らって結託した者どもです。」

祈りは、喉の奥から零れ出た。整えられた神殿の祈禱文ではなく、岩の割れ目から無理やり滲み出る水のような、澱み、ときに途切れる言葉だった。彼は自分が、父祖ダビデがかつて歌った、あの苦渋に満ちた調べを、無意識のうちに繰り返しているのに気づいた。あの王もまた、周囲を敵に囲まれ、天を仰いだ。その詩篇は、硝子のように研ぎ澄まされたものではなく、血と土と絶望で汚れ、それでもなお何かを掴もうとする、不格好な手のひらのような祈りだった。

ふと、彼は幼い孫、エリアスを思い出した。その子は先日、巣から落ちたひな鳥をそっと掌に載せ、なぜ敵がいるのか、と無邪気に尋ねた。ナタンは答える言葉を持たなかった。ただ、その小さな掌の温もりを、神もまた覚えておられるだろうか、と思った。

風が変わった。ほんのわずかに、東から吹いてくる風が、砂塵と没薬の香りを運んできた。それは、敵の陣営がる野営の匂いだった。ナタンは顔を上げた。神殿の燭台の灯りが、闇に食い込むようにともり始めている。

彼の祈りは次第に、嘆きから、ある確信へと変わっていった。それは激しい願いというより、深い淵の底から響いてくるような調子だった。

「わが神よ。彼らを粉みじんに砗き、薊の塵のように、風の前の籾殻のようにしてしまってください。火が森を焼き尽くし、炎が山々をなめ尽くすように。」

彼は、かつてミデヤン人が、神のほむらと剣によって打ち散らされたことを思い出した。その時、敵の将軍たちは、「これこそ主の剣だ」と叫びながら倒れていった。神の業は、時に荒れ狂う砂嵐のように、あらゆる人間の企てを無に帰す。ナタンはその静かな暴力を、畏れをもって願った。彼らが自らの名を高く掲げようとするその傲慢を、暴風が仮設の天幕を引き裂くように、粉砕してほしいと。

「しかし、それはただ破壊のためではない。」彼は石の床に手のひらを押し当てた。冷たさが、彼の熱くなった思考を鎮めていく。「彼らが、あなただけが、その名は主、全地を統べ治めるいと高き方であることを知るために。」

祈りが静まると、周囲の音が戻ってきた。遠くで子羊の鳴き声、巡邏する衛兵の足音、どこかの家から漏れる家族の笑い声。これが、守るべきものだ。騒々しく、不完全で、時に愚かでもある、この平穏の一片。敵が狙うのは、単なる土地や富ではない。この、主の御名によって結ばれた、かよわい契約そのものなのだ。

ナタンはゆっくりと立ち上がった。老いた骨が軋む。闇は完全に降り、星々がオリーブの葉の隙間から冷たい光を降らせている。敵の陰謀は、明日も、明後日も、おそらく消えることはないだろう。彼らの密議は、闇の帳の中でますます深まっていくかもしれない。

しかし、この静寂の中に、一つの答えがあった。それは、戦いの勝利の保証でも、敵の即時滅亡の幻視でもなかった。それは、この祈りが、孤独な叫びではなく、天の御座に届いているという、揺るぎない確信だった。主は聞かれた。彼の沈黙は、無関心ではない。まるで、陶器師が、これから形作ろうとする粘土を、長い時間をかけて掌の中で温め、探るかのような沈黙だ。

ナタンは最後にもう一度、東の闇を見つめた。そこには、敵の営火の灯りは見えなかった。代わりに、最も深い闇の向こうに、夜明け前の、ほの白い兆しを、彼は心に思い描いた。主が、ご自身の時と方法によって、御名をあがめられるその日を。

彼は外套をまとい、ゆっくりと住まいへと歩き出した。足元には、乾いた小石が転がり、くっきりとした音を立てた。祈りの言葉は消えたが、その余韻は、エルサレムの夜の空気に、消えることのない震えとして残っていた。戦いはこれからだ。しかし、戦場は、彼の膝が接していた冷たい石の上、そして、決して揺るぐことのない御言葉の中に、既に定められているのだ。

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