聖書

エズラの悔い改めの祈り

その日、エズラは庭の奥にある小部屋にいた。杉の板の机の上には、律法の巻物が幾つか開かれていた。窓からは、午後の斜光が差し込み、舞い上がる塵の粒子が微かに金色に輝いているのが見えた。エルサレムの空気は、今もどこか崩れた壁の土埃の匂いを纏っていた。帰還から年月は経ったというのに、町は未だ癒えきっていない。彼はそう感じずにはいられなかった。

ふと、扉を叩く音がした。厳つい顔をしたシェカニヤの息子、エヒエルが、数人の者たちと共に立っていた。彼らの表情は晴れず、何か言葉にしにくい事を抱えているように見えた。

「先生、お話がある」

エズラは巻物を置き、頷いた。彼らは部屋に入り、互いを見交わした。誰かが咽喉を鳴らした。

「我々は…」エヒエルが口を開いた。「この地に住む民について、調査を進めて参りました。祭司も、レビ人も、一般の民も…多くの者が、ここの土地の民と深く結びついていることが分かりました。カナン人、ヘテ人、ペリジ人、エブス人、アモン人、モアブ人、エジプト人、アモリ人…主が我々の前から追い払うように命じられた諸国の民です。彼らは自分の娘を我々の息子に与え、また我々の娘を彼らの息子に娶らせています」

言葉が部屋の中に重く落ちた。机の上の塵の光さえ、急に冷たく感じられた。エズラは耳を疑った。否、疑うべきではない。彼らが持って来る報告は、常に慎重を期したものだ。彼はゆっくりと腰を上げ、窓辺に立った。眼下には、未だ再建半ばの町並みが広がる。礎は据えられたが、壁は所々で途切れ、人々の生活は隙間風のように、不安定に流れていた。

まさにその脆さの中に、この罪は根を下ろしていたのか。捕囚という苦い塩によって地味は一旦は清められたはずなのに、帰ってきてわずかな時の中で、もう古い悪しき習慣が這い出してきたのか。

彼は身体の芯から震えが来るのを感じた。それは怒りというより、深い、深い悲しみに似ていた。彼は上着の襟もとに手をやると、それを掴み、引き裂いた。布が鈍い音を立てて二つに裂けた。次に、彼は下着をも裂いた。そして、最後に外套を脱ぎ、髪の毛と髭の房を思い切り引きむしった。皮膚がひきつる痛み。それでも、心の痛みには遠く及ばなかった。

彼はその場にうずくまった。午後の祈りの時が近づいているというのに、立ち上がる力さえなかった。彼の周りに、この報告を聞いて集まって来た者たちがいた。主の言葉を畏れる者たちだ。彼らも、同じように打ちのめされ、エズラの傍らに座り、ただ時が過ぎるのを待っていた。

夕方の風が窓から吹き込み、机の上の巻物の端をかすかに揺らした。エズラはふと、少年の頃、バビロンの川のほとりで、故郷を思い、どのように主に祈ればよいのか分からずに座っていた日のことを思い出した。あの時と同じ無力感。いや、今はそれ以上だ。彼は民の指導者の一人として帰って来た。その民が、再び自らの首を絞める罠に飛び込もうとしている。

日が傾き、神殿の丘に夕焼けが広がり始めた時、エズラはようやく動いた。彼はゆっくりと立ち上がり、荒れた衣をまとったまま、神殿の前の広場に出て行った。彼の後ろには、震えおののく者たちの群れが従った。

彼はひざまずき、両手を天に挙げた。声は最初、掠れていた。だが、次第に熱を帯び、広場にこだまするようになった。

「わが神よ。私は恥じ、顔を上げることができません。私たちの罪は、私たちの頭の上に積み上がり、天に届くほどです」

彼の目から涙が溢れた。頬を伝わり、顎から埃っぽい地面に落ちた。

「かつて私たちの神、主は、私たちの先祖の手によってこの地を汚している諸国の民を追い払い、この地を永遠の嗣業として私たちに与えると約束されました。しかし、私たちはどうしましたか? 私たちの先祖は、あなたの命令を蔑み、あなたの豊かな憐れみに背を向けました。ついには、あなたは彼らを異国の王の手に渡され、私たちは今日のようにされたのです」

遠くで、羊を連れて帰る者の声がかすかに聞こえる。日常は、罪の告白の傍らで淡々と流れていた。

「しかし、私たちの神よ。あなたはまことに私たちをすべて滅ぼし尽くすことなく、捕囚の中に残り者を与えてくださった。くずり縄のような私たちを、あなたの聖所のあるこの場所に、再び立たせてくださった。あなたは私たちの目の前に慈しみを示してくださった」

エズラの声は詰まった。彼は地面に手をつき、額を石畳に近づけた。

「それなのに、私たちは再びあなたの戒めを破りました。あなたが忌み嫌われる民と縁を結び、私たちの神聖を汚してしまった。このままあなたの激しい怒りが私たちに向けられれば、もう残る者すらないでしょう。イスラエルよ、私たちに何が言えるでしょう」

彼は長い間、跪いたままであった。暗闇が完全に広場を包み、星がちらほらと見え始めた。周りの者たちのすすり泣く声が、夜風に混ざって聞こえた。

誰も動かなかった。祈りは、言葉が尽きた後も、沈黙の中に続いていた。荒れた衣をまとった指導者の震える背中は、この帰還の民全体の、あまりにも脆い信仰と、変わらぬ神の厳格さと恵みとの狭間に立つ苦悩そのもののように見えた。

やがて、深い夜が更けていく中で、一つ、また一つと、人々がエズラの周りにひれ伏し始めた。彼らは何も語らなかった。ただ、引き裂かれた衣の音と、悔い改めの祈りが、エルサレムの冷たい石の上に、新たな歴史の一ページを、苦い涙で濡らし始めたのである。

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です