聖書

海の城塞の終焉

海は穏やかな日、ガラスのように光っていた。遠くから見れば、ツロはまさに海に浮かぶ紫の宝石のようだった。岩の上に築かれたその町には、二つの港が抱き合うようにして船を迎え入れ、フェニキアの帆が風を孕む音が絶え間なく響いていた。杉材の香り、湿った麻縄、遠い地から運ばれた香料の甘い匂いが混ざり合い、埠頭は日に何度も喧騒に包まれた。ツロの人々は、自分たちの島の城塞は決して落ちないと確信していた。海こそが彼らの城壁であり、その波の砦は、いかなる陸の軍勢にも侵されえないと思い込んでいた。

その繁栄は、まことに目を見張るものがあった。銀は塵のように、金は道端の石のようにあった。彼らは交易によって富を築き、知恵と技によって名声を高めた。「我々はこの海を治める者だ」と、長老たちは葡萄酒を酌み交わしながら語った。「陸の王国は興り、そして滅びる。しかし海は永遠だ。我々もまた、永遠だ。」

しかし、預言者の言葉は、そんな驕りに満ちた宴の只中に、低く、重い響きをもって届けられた。それはまるで、遠雷の予感のようだった。

「主なる神はこう言われる。ツロよ、お前はエルサレムについて、『よかった、諸民族への門は破られ、わたしに向かって開かれた。彼女は滅びた。わたしは豊かになる』と言った。それゆえ、見よ、わたしはお前に敵対する。大海のように、わたしはお前に立ち向かう波涛を押し寄せる。」

言葉は当初、嘲笑をもって迎えられた。岩の上の島に、どうして波涛が及ぼうか。しかし預言は、その比喩を次々と恐るべき具体的な形に変えていった。

「彼らはお前の美しい家を壊し、お前の石、木材、塵を水の中に投げ込む。お前についての嘆きの歌を、わたしは歌わせ、深い海にお前を沈め、大水に覆わせる。お前は、下りて行く者と共に昔のものの中に埋もれ、永遠にそこに住む者となる。」

最初の兆候は、空ではなかった。海から来た。交易路が次第に不確かなものになり、顔なじみの船団の姿が見えなくなっていった。そして陸から、重苦しい蹄の音と、金属が軋む不気味な響きが、ゆっくりと、しかし確実に近づいてきた。それはバビロンの王、ネブカデザルの軍勢であった。彼らは陸のツロを包囲し、盾の城壁を築き、土塁を築き、着実に陸側の町を締め上げていった。島の城塞は、依然として難攻不落のように見えた。海は彼らのものだったからだ。

だが預言は続いていた。
「彼はお前に対して陣営を敷き、塁を築き、盾の壁を立てる。破城槌でお前の城壁を打ち、鉄のつるぎでお前の塔を打ち砕く。」

包囲は長引いた。一年、また一年。島は海に守られていたが、陸からの補給は絶たれ、かつての活気は陰りを見せ始めた。港には依然として船が出入りしたが、その数は減り、積み荷は以前のように豊かではなかった。人々の顔から、自信の輝きが次第に消え、代わりに不安の影が差し始めた。それでも彼らは、海の守りを信じていた。

そして、遂にその時が来た。預言の言葉通りに。
「お前の群れは海によって覆われる。大いなる水がお前を覆う。」

しかしそれは、比喩ではなかった。現実の、冷酷な軍事的な現実が、海を越えて襲いかかった。バビロンは決して諦めなかった。彼らは長い歳月をかけ、ついに驚くべきことを成し遂げたのだ。瓦礫、土砂、石材を運び、海の中に一本の巨大な堤防、陸から島へ続く道を築き上げたのである。それはまさに、神が告げられた「波涛」そのものだった。人間の手による、破壊への道。

その光景は、ツロの見張り台から見下ろす者たちに、言葉を失わせる恐怖をもたらした。海が、彼らの最大の味方であったはずの海が、今や敵の進軍路と化していた。馬と戦車と無数の兵士が、波を押しのけるようにして、ゆっくりと、しかし確実に島へと迫ってくる。

戦いの詳細は、残る記録も少ない。おそらくは凄まじいものだったろう。鉄の破城槌が門を打ち砕き、炎が杉材の宮殿を舐め、剣戟の音がかつての市場の賑わいを塗り替えた。海は血で赤く染まったと、後の漁師たちは囁きあった。

そして、全てが終わった後。
預言の最後の部分が、静かに、しかし完璧に成就した。

「わたしはお前を裸の岩にする。お前は漁師たちが網を干す場所となる。お前は二度と建て直されることはない。」

時は流れた。かつて紫の染料で富を誇った島は、今や灰色の瓦礫の山となり、その上にうすら寒い陽が照りつけていた。波は、崩れた埠頭の石をゆっくりと撫でる。かつては王たちが歩き、商人たちが駆け回った広場に、今は潮の香りが漂っている。そして何より、そこには人影があった。漁師たちだ。

彼らは朝もやの中、小舟を岸につけ、夜の漁で得た網を引きずり上げる。網は重く、所々に海草が絡みついている。漁師たちは無造作に、平らな岩の上、かつては宮殿の床であったかもしれない石の上に網を広げる。黙々と、網を整え、破れを繕い、明日の漁に備える。その傍らでは、子どもたちが崩れかけた石垣の間を走り回り、ときおり貝殻や、錆びた古代の硬貨を見つけては歓声を上げる。彼らには、この場所が何であったか、ほとんど関心がない。ここは単に、網を干し、潮風に吹かれるのに適した、広々とした場所でしかない。

かつてツロがエルサレムの破滅を喜んだように、今、ツロ自身が「かつてのもの」となり、深みに下った。主の言葉は、人の驕りと、国の盛衰を、海の深さをもって描き出す。そして、網を繕う漁師たちの素朴な営みが、そのすべての上に、厳粛で平和な、終わりの印を刻んでいるのだ。西から吹く風が、遠い昔の嘆きの歌の断片を、ただ運んでいるだけである。

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