ヨナは、その肌にまだ塩の気配を残しながら、長い道を歩いていた。足元の砂利が軋む音だけが、彼の思考に付き添う。再び、あの声が響いた日のことを思い出す。荒れ狂う海、巨大な魚の闇、そして赦し——すべてがまるで遠い夢のようだった。しかし、主の言葉は消えず、今や彼の骨の髄にまで染み込んでいた。「ニネベへ行け。あの大いなる町に、わたしが告げることを宣言せよ。」
前回とは違う。抵抗する気力さえ、どこかへ流れ去っていた。代わりに、ある重たい従順が、彼の歩みを押し進めた。東の地平線に向かって、日に焼けた道が続く。やがて、遠くに黒い線が見え始めた。それは次第に大きくなり、地平を覆うかと思うほどの広がりとなった。ニネベの城壁だ。近づくにつれ、その威容に息を呑む。石積みは太陽に照らされ、鈍い金色を帯びている。門は開いており、絶え間ない人と獣の流れが出入りしている。喧噪が風に乗ってやって来る——商人の掛け声、車輪の音、らくだの鳴き声、そしてどこからか漂う香料と獣の糞尿が混じった複雑な匂い。
「三日かかるほどの町」。彼がかつて聞いた言葉が、今、眼前の現実となって立ち現れる。圧倒される。この巨大な町のただ中で、たった一人の男の言葉に誰が耳を傾けるというのか。彼は胸の内で嘲るようなため息をついた。それでも、足は動いた。門をくぐり、舗装された大通りに足を踏み入れる。
町は活気に満ちあふれていた。織物や金属細工を売る店、果物や穀物を積んだ荷車、様々な言語が飛び交う市場。人々の顔には、繁栄と、それに伴う何か驕りのようなものも感じられた。ヨナはその雑踏の中を、まるで潮流に押し流される木片のように進んだ。どこから始めればよいのか。ただ、与えられた言葉を繰り返すだけだ。
彼は広場らしき場所にたどり着き、一段高くなった石の台にゆっくりと登った。深呼吸する。肺に、この町の空気——煙と香辛料と人間の汗の混じったもの——が満ちる。そして、声を振り絞った。
「あと四十日にして、ニネベは滅びる!」
最初は、囁きのようなものだった。しかし、彼は繰り返した。喉が裂ける思いで。
「四十日! 四十日で、この町はひっくり返される!」
通りかかった数人が足を止めた。好奇の視線。やがて、それが数十人になり、百人になった。ヨナの言葉は、波紋のように広がっていく。彼の風貌——粗末な衣、晒されたような肌、しかし目に燃える一種の切実さ——が、言葉に重みを加えた。
「主なる神がこう宣言される。あなたたちの悪が、わたしの前に達した。四十日で、裁きが下る」
ある女が、手に持っていた水がめを落とした。陶器が砕ける音が、突然の沈黙の中で鋭く響いた。すると、一人の老人が跪き、灰を頭に被り始めた。それを見て、別の男も同じようにした。広場は、急速に変化していく。笑い話でもない、単なる預言者の狂気でもない——人々の顔に、本物の恐怖、そして何かが覚醒するような表情が走った。
その反応は、ヨナの予想をはるかに超えていた。彼らは逃げもせず、嘲笑もせず、石を投げもせなかった。代わりに、言葉が、まるで火種のように燃え広がるのを、彼は呆然と見つめていた。
噂は、蜂の群れのように町中を駆け巡った。午後が過ぎる頃には、町の至る所で同じ光景が見られた。商人は店を閉め、兵士は武器を置き、女たちは飾り物を外した。粗布——安価でざらざらした布——を身にまとう者が増えていく。子供たちでさえ、遊ぶのをやめ、大人たちの厳粛な表情をまねた。
そして、その報告は王宮にまで届いた。
ニネベの王は、玉座から降りた。彼は冠を脱ぎ、豪華な王衣を引き裂き、粗布をまとうと、灰の中に座した。側近たちもそれに従った。王の命令は、速やかに町中に伝えられた。
「人も獣も、すべてのものは断食せよ。水をも飲むな。粗布をまとい、力の限り神に叫び求めよ。おのおの、その悪の道と、手にある暴虐を離れよ。」
町は、一夜にして変貌した。かつて喧噪に満ちていた大通りは、不気味な静寂に包まれた。食べ物を運ぶ荷車も、商いの声もない。代わりに聞こえるのは、時折、家々から漏れる慟哭のような祈りの声だけ。らくだや牛までもが、粗布をかけられ、餌も水も与えられず、地面に伏している。異様な光景だった。この巨大な町全体が、一つの生き物のように、深い悔い改めの内に息を潜めている。
ヨナは、町の外れにある掘っ立て小屋のような場所で、このすべてを見ていた。彼の心は複雑だった。使命は果たした。言葉は伝えた。しかし、この人々のあまりに徹底した悔い改め——それは彼の内に、ある不快な感覚を呼び起こした。赦しという可能性への、一抹の不安。彼は、自分が宣言した破滅が、壮大な形で実現する様を、どこかで想像していたのかもしれない。神の怒りの顕現を。しかし、今、この沈黙の中にあるのは、怒りではなく、待機するような、重たい憐れみの時間だった。
四十日。彼らは数えていた。一日一日が、断食と祈りの中で、無限に長く感じられる。人々の頬はこけ、目は窪んでいった。しかし、そこには次第に、単なる恐怖ではない、何か希望に似たものが宿り始めていた。「あるいは、神が思い直され、激しい怒りを翻されるかもしれない」——王の言葉が、人々の心の支えになっていた。
そして、四十日が過ぎた。
夜明けの光が、ニネベの城壁を徐々に照らし始める。町はまだ静かだ。人々は家の戸口に座り、あるいは広場に集まって、東の空が白むのを見つめている。息を殺したような時間が流れる。
何も起こらない。
風がそよぐ。遠くで鳥が一声鳴く。いつもの朝の気配が、ゆっくりと町に戻ってくる。破壊も、火も、硫黄も降ってこない。ただ、平穏な夜明けがあるだけ。
人々は、互いの顔を見た。そして、理解した。彼らの悔い改めを、神が見ておられたことを。激しい怒りが、静かな赦しへと変わったことを。
最初は小さなすすり泣きが、やがて感謝の声、そして安堵の叫びへと変わっていった。しかし、それは決して狂騒ではなく、深い、静かな喜びの波だった。粗布は脱がれ、断食は解かれた。しかし、町の空気は以前とは明らかに違っていた。驕りは消え、どこか慎ましさが残る。
ヨナは、その変化を全て見届けていた。主が、彼らの行い——彼らが悪の道を離れたこと——を見て、思い直されたことを知った。彼自身の胸中には、言い難い感慨が渦巻いていた。使命は成就した。しかし、その成就の形は、彼の予想とは全く異なっていた。
彼はそっと背を向け、再び荒れ野へと続く道を歩き始めた。背後に、生き返った大いなる町の息づかいは聞こえるが、彼の心は既に、次の孤独と、神との静かで、しかし激しい対話へと向かっていた。風が、彼の粗布の端を揺らしている。




