聖書

約束の炎を胸に

夜は更け、砂は冷たくなっていた。焚火の傍らで、老いたイツハクは膝を抱え、揺らめく炎を見つめていた。遠くで、子羊の鳴き声が風に乗ってくる。少年たちが、目を輝かせて彼の周りに座っていた。あのエジプトの夜から、どれほどの月日が流れただろう。彼は深く息を吸い込み、砂埃と乾いた灌木の香り、そして遠い記憶の匂いを胸に満たした。

「聞け、子どもたちよ」彼の声は低く、砂を擦るようだった。「お前たちは、この砂漠をさまよう者たちではない。約束の民だ。その約束は、お前たちがまだ形もなく、この世のどこにもいなかった時から、続いている」

彼は火の中に、別の炎を見た。ハランの地の、星のまたたく夜空を見上げる一人の男の姿を。

「彼の名はアブラムといった。主は彼に告げられた。『あなたの国、あなたの生地を離れなさい』と。なぜだ? ただ、信頼せよというためだった。アブラムはすべてを置いた。彼が従ったのは、声だけだった。彼には何の保証もなかった。ただ、『あなたを大いなる国民とする』という約束だけが、彼を支えた。彼は約束の地を、ただ歩いて量った。一歩、一歩、と」

イツハクは、少年たちがじっと聞き入っているのを感じた。彼自身が、父から聞いた話だ。それは単なる歴史ではない、血の記憶だった。

「その地は、彼に与えられた。だが、彼はそこに城を築いたわけでも、王国を打ち立てたわけでもない。彼は寄留者として、天幕を張って暮らした。なぜか? 約束そのものが、彼の城だったからだ。主は彼を、飢饉から、王たちの争いから、何度も守られた。彼を挫こうとする者がいれば、主は『わたしの油注がれた者に触れるな。わたしの預言者に害を加えるな』と警告された。彼は、主のものであった。主は、ご自身のものを守られる」

焚火の薪がはぜた。火花が暗闇に舞い上がり、瞬く間に消えた。イツハクは話を続けた。

「その約束は、彼の子、そのまた子へと受け継がれた。わずか七十人で、ヤコブはエジプトの地に下った。そして、ヨセフがいた」

彼の声に温かみが宿った。ヨセフの物語は、彼が最も愛してやまないもののひとつだった。

「ヨセフは、兄弟たちに奴隷として売られた。彼の足には枷がはめられ、心には孤独が刺さった。しかし、主は彼と共におられた。主は、彼が囚われの身であるその場所で、彼を解き放たれた。人の心を動かし、知恵を与え、ついにはファラオの右の座にまで就かせた。何のためか? ただ、約束を守るためだ。ヤコブの一族が飢えに襲われた時、ヨセフは既に、彼らを受け入れる糧と場所を準備していた。見よ、兄弟たちを苦しめたその手が、今や彼らを生かす手となった。主の計らいは、深い」

夜風が強くなり、マントの端を翻した。少年の一人が震えているのに気づき、イツハクは話を少し止め、火に薪をくべた。炎が勢いを増し、彼らの顔を金色に染めた。

「そして、エジプトで、我々は増え広がった。約束は、数となって現れた。我々の数は、彼らにとって脅威となった。彼らは策を弄し、我々を苦役で押し潰そうとした。レンガを造らせ、泥を混ぜさせ、残酷な監視の下に置いた。我々のうめき声は、天に届いた」

イツハクの声が硬くなった。彼自身の背中にも、かつての鞭の傷跡が、古びた彫刻のように残っていた。

「しかし、主は沈黙されなかった。主はモーセを遣わされた。アロンを遣わされた。彼らを通して、主は御自身のしるしを、エジプトのただ中に現された。暗闇は彼らの目を潰し、水は血に変わり、蛙は王の寝床にまで這い上がった。あらゆる疫病が、彼らの誇りと神々を打ち砕いた。だが、ファラオの心は石のように固かった。主は最後のことをなされた。エジプトのすべての初子を撃たれた。その時、初めて我々のための道が開かれた。主は、我々を、喜びと共に、金銀を携えて、導き出された。エジプト人は、彼らを苦しめたこの民が去ることを、むしろ喜んだ。約束は、解放となって現れたのだ」

彼は、あの夜の慌ただしさを思い出した。酵母の入らないパン種をこねる母の手。子羊の血の匂い。緊張に震える夜気。そして、何よりも、戸口に塗られた血が、通り過ぎる「滅ぼす者」から彼らを区別した、あの圧倒的な確信。

「その後、主は昼は雲の柱をもって、夜は火の柱をもって道を示された。岩から水を湧き出させ、天からマナを降らせた。主は、エジプトでの約束を、荒野でも忘れられなかった。四十年。我々の不信仰にも関わらず、主の供給は絶えなかった。なぜか?」

イツハクは、一人ひとりの少年の顔を見た。その瞳に、焚火が揺れていた。

「すべては、主がアブラハムに誓われたあの言葉のためだ。『あなたの子孫にこの地を与える』。我々は今、約束の地の境をさまよっている。ヨルダンの向こう側に、それは広がっている。我々の不信仰は、砂漠で朽ち果てた。しかし、主の真実は朽ちない。主の約束は、彼の聖なる御名にかけて立てられている。それは、千代にまで及ぶ契約なのだ」

彼は話を終えた。長い沈黙が流れた。聞こえるのは、火のざわめきと、遠い荒野の風だけだった。

一人の少年が、小声で尋ねた。「イツハク様、私たちは……その約束に入っているのですか?」

老いた戦士は、ゆっくりとうなずいた。彼の目には、星々と、はるか昔にアブラハムに見せられたそれと同じ星々が映っていた。

「お前たちの足の裏が踏むこの砂も、お前たちが担ぐこの天幕も、お前たちの脈打つこの血も、すべては約束の内にある。主は覚えておられる。主は守られる。主は与えられる。それが、我々のすべての物語なのだ」

彼はもう何も言わなかった。言葉は尽き、ただ約束だけが、冷たい砂漠の夜に、焚火のように温かく燃え続けていた。約束は、歴史であった。約束は、現在であった。約束は、ヨルダンの向こうに広がる、まだ見ぬ葡萄の房と、乳と蜜の未来であった。

少年たちは、それぞれにその炎を見つめながら、やがて天幕へと帰っていった。イツハクは一人、残り火の前で、長い時間、動かなかった。彼の魂は、星々と約束の間に漂い、静かに、「主に感謝せよ、その御名を呼び求めよ」という、遠い歌の一節を繰り返していた。それは、彼の父祖の、そして彼自身の、唯一確かな土地だった。

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です