聖書

ベテルの祭りの預言

その日、ベテルの丘には、新しい葡萄酒のような高揚感が満ちていた。空は青く冴え渡り、砂漠から吹いてくる風でさえ、この日ばかりは暑さを和らげるそよ風となって、祭りに集う人々の衣を揺らした。彼らは皆、顔を輝かせていた。収穫が終わり、打ち場には麦の穂が山となり、葡萄畑では最早熟した実がたわわに実っている。それを祝う大いなる祭りの日。人々は銀の鈴を縫い込んだ衣をまとい、子羊の肉を焼く煙の香りが町中に立ち込めていた。

ホセアは、その喧騒の只中に、一人、影のように立っていた。彼の目には、この陽気なざわめきが、まったく異なる風景として映っていた。祭壇の上に積まれた供え物の麦束は、彼には枯れ草の山に見えた。祭司たちが打ち鳴らすシンバルの音は、遠くで鉄の鎖が擦れ合う不協和音のように耳に刺さった。彼は長い旅路で擦り切れた外套に身を包み、人々が意識的に、あるいは無意識に避けるその場所で、ただ見つめ続けていた。

主の言葉が、彼の内側で沸き上がってきた。それは祭りの音楽とは対極にある、深く、重い響きだった。まるで、遠雷が地の底から湧き起こるように。

「イスラエルよ、歓喜するな。異邦人のように浮かれるな。あなたは妻を売って淫行をなした。あなたはすべての打ち場で好んで報酬を受けた」

ホセアの唇が微かに動いた。声はまだ出ていなかったが、彼の全身がその宣告を伝える器として震えていた。彼の目は、祭壇の傍らで、官能的に身をくねらせながら踊る女たちに向けられた。それはバアルへの儀式であり、豊穣を願う異教の舞いだった。彼らは主の収穫を、異教の神への感謝として捧げていた。感謝?いや、それは取引であった。自分たちの欲望を満たすための、恥知らずな取引。

突然、一人の男が、葡萄酒の皮袋を高々と掲げ、陽気に叫んだ。「豊作だ!我らの神々は我らを祝福された!」

その瞬間、ホセアの声が、祭りのざわめきを一刀両断した。それは大声ではなかったが、鋭く、冷たく、すべての虚飾を剥ぎ取るように場に響いた。

「打ち場も、葡萄酒搾り場も、彼らを養うことはない。新しい葡萄酒も、彼らに欠けるだろう。」

ざわめきがぱたりと止んだ。皮袋を持った男が、困惑したようにホセアを見た。祭司が眉をひそめた。

ホセアは一歩前に出た。彼の目には、この場所そのものへの悲しみが満ちていた。ベテル。かつて父祖ヤコブが主に出会い、天への梯子を見た聖なる場所。その場所が今、偶像に満ち、神聖を嘲笑う場と化している。

「彼らは主の地に帰らず、エジプトに住み、アッシリアで汚れた物を食らう。」

「な、何を言う!エジプトだと?我々はここにいる!」と、ある長老が怒声をあげた。

ホセアはその長老をまっすぐ見据えた。その視線は、現在のベテルを突き抜け、遠く、苦役と死臭の漂うナイルの地へと人々の心を引きずっていった。

「あなたがたが持っていく供え物の葡萄酒は、腐敗する。あなたがたの祭り、あなたがたの新月の祝いを、主は憎まれる。見よ、彼らは略奪者の地へ去り、エジプトは彼らを集め、モフは彼らを葬る。」

「黙れ!不吉な預言者め!」石がひとつ、ホセアの足元に投げつけられた。すると、たちまち祭りの空気が変わった。高揚は、得体の知れない不安と怒りに変質し始めた。人々の目は、輝きを失い、猜疑と恐れに曇っていた。彼らは、自分の祝いが、実は葬列の前座に過ぎないかもしれないと、ふと気づかされたのだ。葡萄酒の香りが、急に生温く、甘ったるい腐敗臭のように感じられてきた。

ホセアはさらに言った。声には、もう怒りはなく、ただ深い、取り返しのつかない喪失感があった。

「エフライムは、わたしの神が彼らを覚えられぬように、打たれた。彼らは主の家から追い出される。彼らの王たちは、悪を行うゆえに倒れる。」

彼は、祭壇の上に立てられた、金で覆われた子牛の像を見上げた。陽射しがその像をきらめかせ、あたかも生きているかのように見えた。しかし、ホセアにはそれが何であるかが見えていた。それは命ではなく、死の鋳型であった。彼らが頼る王も、軍勢も、この輝く偶像も、すべては滅びへの道標でしかない。

人々は押し黙った。焼肉の煙がまっすぐに空へ昇り、やがて風に揺られて散っていった。まるで彼らの祈りが、虚空に消えていくように。

ホセアは最後に、この土地そのものに向けて言葉を放った。それは、愛する者への挽歌のように響いた。

「彼らがベテルに来て罪を犯した日、わたしはそこにいまして、彼らのために苦しんだ。その勇士の栄光は、ことごとく飛び去る。」

彼は言い終えると、外套の裾を翻し、祭りの場を後にするように歩き出した。誰も彼を止めようとはしなかった。彼の去った後の空間には、先程までの陽気な音楽や笑い声は、もう戻ってこなかった。残されたのは、急に色あせて見える麦束の山、意味を失った供え物、そして、底知れぬ空虚だけだった。

丘を下りるホセアの背後では、祭りは形骸として続いていた。しかし、どの顔にも最初の輝きはなかった。父親が子どもの肩を抱き寄せ、母親が供え物の籠をぎゅっと抱きしめた。主の言葉は、祝福の宣言としてではなく、肥沃な畑の下に広がる、乾ききった砂漠の記憶として、彼らの心に沈殿していった。

風が再び吹き、砂漠の熱い息がベテルの丘を包んだ。それは、約束の地が、彼らを拒み始めた最初の吐息のように思えた。祭りの旗は、その風に翻弄され、諦めたように垂れ下がっていた。

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