アンティオキアの会堂には、オリーブ油の灯りがゆらめく匂いが立ち込めていた。朝もやが窓から差し込み、床に積もった埃がかすかに光る。バルナバはうつむき、深い沈黙の中で祈っていた。彼の横で、サウロと呼ばれていた男は、羊皮紙の巻物に指を走らせ、何度も同じ箇所を口ずさんでいる。預言者や教師たちが集うこの場所は、普段は議論の活気に満ちていたが、この日ばかりは違った。断食と祈りが重ねられた後の、張り詰めた静けさ。それは、何かが起ころうとする前の、あの重くて甘いような緊張だった。
一人の男が立ち上がった。ルキオか、それともマナエンか。灯りが暗く、顔はよく見えない。その声は低く、しかしはっきりと響いた。
「聖霊が語っておられる」
言葉それ自体は、突如として現れたわけではない。彼らは何日も、何週間も、祈り続けていた。食事を控え、夜を徹して訴えていた。すると、まるで長い間かすかに聞こえていた川のせせらぎが、突然、轟音と化したかのように、その意志が明らかになった。聖霊が告げたのだ。バルナバとサウロを、わたしが召した任務のために、選び出せ、と。
サウロは捲っていた羊皮紙の手を止めた。彼の目には、一瞬、少年のような驚きが走った。それは、長年待ち望んでいた何かが、ついに動き出した瞬間の、鋭い疼きにも似ていた。バルナバはゆっくりと顔を上げ、彼の目はすでに旅路を見つめていた。説明は要らない。祈りが答えとなって戻ってきた。それだけのことだ。
セレウキアの港は、曇り空の下で鉛色の海をたたえていた。小舟がぶつかり合い、ロープがきしむ音。積み荷の叫び声。バルナバとサウロ、そして若いマルコとも呼ばれるヨハネは、揺れる船べりに立って、見送る者たちの小さくなる手を眺めていた。風が強くなり、帆がぱんと張られた。サウロは、このあたりの地理に詳しかった。かつては迫害者として、この道を急いだこともある。今、彼は逃げるのではなく、向かっていく。その違いが、胸の奥で熱く燃えていた。
キプロスの地は、彼らを青い空と強い日差しで迎えた。サラミスの町では、ユダヤ人の会堂を見つけるのにさして苦労しなかった。安息日。知らない顔が三人、入り口に立っていた。招かれるように中へ。朗読が終わり、会堂司が言った。「兄弟たち、もしどなたか、この人々を励ます言葉があれば、どうぞ」
サウロが立った。彼は初め、慎重に、旧い契約の言葉から語り始めた。しかし次第に、その語り口に力が込められていく。救いの約束。ダビデの子孫。彼の声は、会堂の石壁に反響し、座っている者たちの顔に、好奇と懐疑、そしてちらほらと、熱のようなものを浮かび上がらせた。
旅は続いた。パフスへ。ここで、総督セルギオ・パウロスという知性ある男に出会う。総督は彼らを招き、神の言葉を聞きたがった。しかし、総督の側には、バルイエスという名の魔術師がいた。エルマとも呼ばれるその男は、鋭い目つきで彼らを睨みつけ、総督を信仰から遠ざけようと、ささやき、妨げた。
ある日、総督の面前で、バルイエスがまたも邪魔を始めた。彼の言葉は滑らかで、耳に心地よい偽りに満ちていた。その時、サウロの――この時から彼はパウロと呼ばれるようになるが――その目が、一瞬の閃光のように輝いた。彼は魔術師をじっと見据え、声は低く、しかし鋼のように硬かった。
「ああ、あらゆる偽りと悪巧みに満ちた悪魔の子よ。義なる神のまっすぐな道を曲げようとする者よ」
少し間を置いた。空気が凍りつくようだった。
「見よ、主の御手がお前の上に臨む。お前は盲目になり、一時の間、日の光が見えなくなる」
その言葉が終わるか終わらないうちに、バルイエスの顔が歪んだ。彼は手探りで周りを探り、目を見開いているのに、何も見えない。暗闇が、彼を突然襲ったのだ。総督はこの出来事を目撃し、深く震撼した。彼の知性は、単なる奇跡以上のもの、つまり神の権威を認めざるを得なかった。こうして、セルギオ・パウロスは信仰に入った。
次の旅は、少し重い足取りで始まった。パンフリヤのペルガに着くと、若いマルコが、突然、帰りたいと言い出した。理由ははっきりしない。恐れか、郷愁か、あるいはこの先の険しい道への予感か。バルナバの目には悲しみが浮かんだが、パウロは無言でうなずいただけだった。人それぞれに、時がある。
そして、ピシデアのアンティオキア。山岳地帯への長く骨の折れる登り道。到着した時、彼らは埃まみれで疲れ切っていた。安息日を待つ。
会堂は、思いのほか多くの人で満ちていた。律法と預言者の書が読まれ、その後、会堂司たちが彼らに言った。「兄弟たち、何か励ましの言葉があれば、民に話してください」
パウロは立ち上がり、手を挙げた。彼の姿は、旅の疲れで痩せていたが、背筋は伸びていた。
「イスラエルの人たち、ならびに神を敬うかたがた、聞いてください」
語りは、エジプトでの奴隷状態から始まった。荒野の四十年。カナンの地の征服。士師たち、そしてサウル王。やがてダビデ王。彼の子孫から救い主が起こされる約束。パウロの声は、歴史の重みを一つ一つ拾い上げるように、ゆっくりと、しかし確実に進んだ。
「この方こそ、ヨハネが来る前に宣べ伝えた、救いの道です」
彼は、エルサレムに住む者たちやその指導者たちが、この義なる方を認めず、死刑を要求したことを語った。無実の方が十字架につけられた。しかし、神は彼を死者の中からよみがえらせた。多くの証人がいる。ダビデの詩篇の言葉が、このことを預言していたのだ。
「だから、兄弟たちたちよ、この方によって罪の赦しが宣べ伝えられているのです。あなたがたは、モーセの律法によっては義とされることができなかったのに、この方によって、信じる者はすべて義とされるのです」
会堂は水を打ったように静かだった。彼らの語るこのイエスという方が、メシアであるかもしれない、という考えが、じわりと広がっていくのが感じられた。人々は散会の後も、パウロとバルナバの周りに残り、もっと聞きたいと願った。
次の安息日になると、ほとんど全市を挙げて、神の言を聞くために集まってきた。町中が、この新しい教えに湧き立っているようだった。ユダヤ人たちの目が、次第に冷たくなっていくのを、パウロは感じた。彼らの中に、ねたみのような、黒く粘ついた感情が渦巻き始めた。彼らは、異邦人の大群衆の中に、自分たちの特権が侵食されていくのを見たのだ。
彼らはパウロの言葉に反論し、ののしり始めた。ついに、パウロははっきりと言った。声には悲しみと決意が混じっていた。
「神の言は、まずあなたがたに語られねばならなかった。しかし、あなたがたはそれを退け、自分自身を永遠の命にふさわしからぬ者と決めた。見よ、わたしたちはこれから異邦人の方へ向かう」
この言葉を聞いて、異邦人たちは喜びに沸いた。主の栄光が讃美され、主を信じる者が多く起こされた。しかし、反対するユダヤ人たちは、信心深い貴婦人たちや町の有力者たちを煽り、パウロとバルナバに対する迫害を引き起こした。彼らはついに、その地方から追い出されることになった。
アンティオキアを去る時、彼らは足の埃を払った。それは、彼らへの証しであり、また潔さの表明でもあった。しかし、二人の心は暗くはなかった。弟子たちは喜びと聖霊に満たされていた。次の地、イコニオムへ向かう道で、パウロは振り返らず、前方の丘陵地帯を見つめた。風が強く、彼の外套をはためかせた。戦いは始まったばかりだ。そして、あのアンティオキアの会堂で感じた聖霊の息吹は、今も確かに、彼らの背中を押し続けていた。




