日が傾き始める頃、エルカナはその日の最後の畝を踏みしめた。土の匂い、乾いた草の感触、遠くで鳴く山羊の声。すべてが彼に言っていた。収穫は近い、と。
彼が家路につこうとした時、怒声が聞こえた。隣の区画で、レウベンとシモンが立ち上がり、互いに向かって叫び合っている。境界の石だ。毎年起こる争いだったが、今年は収穫前の緊張も手伝い、つかみ合いになりそうな気配だった。
「エルカナ、来てくれ!」 長老の一人、アヒエゼルが呼んだ。彼の声は重く、疲れていた。村の広場に筵が敷かれ、すでに数人の長老が座っていた。裁判である。
「我々は証言を聞いた」 アヒエゼルは咳払いをした。「シモン、汝は隣人の境界石を動かした。これは罪である。」
シモンは青ざめ、唇を震わせた。罰は四十鞭。誰もが知っていた。執行役の男が革の鞭を手に前に出た。エルカナはその男の腕を見た。太く、力強い。四十鞭も打てば、シモンは歩けなくなるかもしれない。いや、それ以上に…。
すると、アヒエゼルがゆっくりと立ち上がり、執行役の男を制した。彼の声は低く、しかし広場全体に響いた。
「四十鞭。しかし、それを超えてはならない」 彼は鞭を指さした。「もしそれを超えて打ち、彼が汝の目に卑しめられるほどなら、それは同胞に対する冒涜となる。我らの神、主はそれを憎まれる。」
執行役の男は一瞬、戸惑ったように見えた。彼は確かに力自慢だった。しかし、長老の言葉は単なる数字以上のものを命じていた。罰はあくまで矯正のため。侮辱や破壊のためではない。男はうつむき、鞭の柄を握り直した。シモンへの鞭は三十九で止まった。彼は痛みに呻き、立ち上がることはできなかったが、誰かが肩を貸しに来た時、彼の目には深い安堵の色があった。エルカナは胸のうちで何かがほぐれるのを感じた。律法とは、ただ罰するための冷たい鉄槌ではない。それが持つ一筋の憐れみ。それが共同体を縛る紐帯なのだと。
その夜、家に戻ったエルカナは、食事もそこそこに納屋へ向かった。明日は大麦の脱穀が始まる。相棒の老いた牝牛、ツォフィアが穏やかな目で彼を見つめている。彼はそっとその首を撫でながら、飼い葉桶に十分な秣を入れた。妻のリヴカが戸口に立っていた。
「脱穀の時は、くつこをかけないようにね」 彼女が言った。繰り返し聞く言葉だった。彼はうなずいた。
「あの子が働いている間、口をふさぐわけにはいかない。神が命じられた通りだ。」
彼には言わないことがあった。くつこをかけることは確かに効率的だ。牛が秣に気を取られず、早く仕事を終えられる。しかし、エルカナは何年も前、父が同じように牛の世話をしながら呟いた言葉を覚えていた。「働くものはその報いを受けるに値する。それは牛でさえもだ。」 その単純な正義が、彼の心に深く刻まれていた。翌日、ツォフィアはゆっくりと脱穀場を回り、時折立ち止まっては桶から秣をついばんだ。その姿は、何か揺るぎない約束の具現のように思えた。
しかし、平穏は長くは続かなかった。弟のヨナタンが熱病に倒れたのである。七日目の夜明け前に息を引き取った。葬りの後、沈黙が一家を覆った。ヨナタンの妻、タマルはまだ若く、子がない。彼女は喪服をまとったまま、目を伏せて座り続けていた。
ある夕方、アヒエゼルが再び訪れた。彼の表情は柔らかく、しかし決然としていた。
「エルカナ、汝は知っている。弟に子がない。彼の名はイスラエルの中から消えてはならない。」
レビラト婚の律法である。エルカナは胸が苦しくなった。彼にはすでにリヴカがおり、二人の子供もいる。タマルを妻に迎えること。それは義務ではあるが、家族に新たな複雑さをもたらすことに違いなかった。彼はリヴカの顔を見た。彼女の目には痛みと理解が共存していた。タマルはうつむいたまま、指が喪服の裾を強く握りしめている。
数日後、正式な話し合いが持たれた。タマルはエルカナの前に進み出ると、突然、彼の足元に跪いた。彼女は彼のサンダルを外すと、顔を上げ、唾を吐きかけるような仕草をした。そして、甲高い、しかし凜とした声で言った。
「私の夫の兄弟は、その兄弟のためにイスラエルに名を立てることを拒みました。このようにされますように。」
それは規定された恥の儀式だった。エルカナは、タマルの目に宿った怒りと絶望の混ざった輝きに圧倒された。彼女は受動的な存在ではない。律法が与えるわずかな力を行使し、自らの尊厁を守っているのだ。アヒエゼルが「彼の家は、サンダルを脱がされた者の家と呼ばれるだろう」と宣言する声が、冷たい空気に響いた。エルカナは、拒むという選択肢自体がもたらす社会的な死を初めて実感した。律法は時に、個人の感情をはるかに超える、共同体の存続という重い岩なのであった。
収穫が終わり、エルカナは初穂を持ってシロの町の市場へ向かった。混雑する広場で、彼は穀物を計量してもらうために商人の前に立った。男はにこやかに挨拶し、巧妙に竿秤を操る。エルカナはふと、その秤の動きに不自然な滑らかさを感じた。彼はかつて父から、異なる重さの錘を袋に隠し持つ不正の手口を聞いたことがあった。
「待て」 エルカナは思わず声を上げた。「その秤、もう一度見せてくれ。」
商人の笑顔がひきつった。「何を疑うのだ? 私は正直者だ。」
「我らの神、主は不正なはかりを憎まれる」 エルカナは低く、しかしはっきりと言った。周りに人の目が集まり始めた。「大きな錘と小さな錘。それは忌むべきことだ。」
その言葉は、申命記の律法そのものだった。商人は蒼白になり、黙って秤を調べ直した。結局、足りない分が補われた。取引が終わった後、エルカナは手にした袋の重みを感じながら、律法が単なる儀式や家族内の規定だけではないことを悟った。それは市場の塵っぽい地面の上でも、日常の取引の中でも、正義の礎として立ち現れるのだ。
帰路、彼は家族と共に過越の準備に集まる人々の中を歩いた。祭りが近づいていた。夕べの集いで、最も年老いた長老が立ち上がり、語り始めた。その声はかすれ、風化した羊皮紙のようだった。
「我らがエジプトを出た時、道中で疲れ果て、隊列の最後について行けなかった者がいた。汝らが知っている通り、アマレクがそれを襲った…。」
老人は、弱い者をあえて狙い、神を畏れないアマレクの残虐さを語った。そして、声を張り上げた。
「我らの神、主は言われた。『アマレクの記憶を天の下から消し去れ』と!」
その叫びは、静かな夜の空気を切り裂いた。エルカナは、傍らで眠りかけている幼い息子の頭を撫でた。この記憶せよ、という命令は、単なる復讐の念ではない。それは、弱者を食い物にする不正に対する永続的な警戒の叫びなのだ。境界石の争いも、市場の不正も、すべてはこの根本的な悪への抵抗に連なっている。彼は今日、裁判で見た執行役の男の腕、ツォフィアが穏やかに秣を食む姿、タマルの燃えるような目、商人のひきつった笑顔を思い出した。それらすべてが、一本の見えない糸で、「覚えよ、そして正しくあれ」という律法の核心に繋がっているように思えた。
家に戻り、戸口の敷石に腰を下ろしたエルカナは、深く息を吸い込んだ。野を渡る風は、麦の穂の残り香を運んでくる。星がきらめき始めていた。彼の心には、重い義務感だけではなく、不思議な安らぎが漂っていた。律法は確かに複雑で、時に人間の限界を超える要求を突き付ける。しかし、それはまた、あらゆる関係——人と人、人と動物、人と神——の間に、最低限の正義と慈しみの線を引く。それは、荒れ野のような世の中で、なんとか道しるべを見失わずに歩むための、かすかではあるが確かな灯りなのだ。
彼は立ち上がり、納屋へ向かい、もう一度ツォフィアの様子を見た。牛は静かに反芻していた。エルカナはそっとその背中に手を当て、温もりを感じた。明日も、日は昇る。そして、彼はまた、この律法に満ちた世界の中で、一日を歩み始めるのだ。




