ヨシュアは、足の裏が砂の上を擦る感触さえ、重く鈍いものに感じていた。年というのは、いつのまにか忍び寄り、鎧の重さを以前の倍にも感じさせるものだ。夕暮れの風が、ギルガルの宿営に立ち込める炊煙を揺らしながら、彼の白くなった鬢を撫でていく。西の空は、征服したべき山々を紫色に染め、遠くには、まだ獲られていない海の気配がかすかに匂った。
彼は幕屋の前でうずくまるように座り、ひざに手を置いてただ遠くを見ていた。心の中には、エリコの城壁が崩れた時の土埃の匂いや、ギブオンで雹が降った時の冷たさが、断片的によみがえっては消えた。多くの戦い、多くの約束。しかし、ふと我に返ると、この体にはもはやあの時の激しさは残っていない。そんな思いがよぎった時だった。
風の音とは違う、深く静かな響きが、胸の奥底からわき上がってくるのを感じた。言葉というより、確かな意思の触れる感触。主の声は、もはや雷鳴のごとくではなく、老いた骨の髄にしみ入るようにして訪れた。
「あなたは年を重ね、すでに老人となった。しかし、占むべき地は、なお多く残っている」
ヨシュアは目を閉じた。瞼の裏に、カナンの全地図がくっきりと広がる。それは、彼が幾度となく砂の上に描き、兵士たちと語り合った地図そのものだった。主の声は続く。
「残っている地はこれである。ペリシテ人の全地域、およびゲシュルびたる全地…」
声と共に、地図の上に色の薄い、未だ手つかずの領域が浮かび上がってくる。南の海岸沿い、ペリシテ人の五つの町々。ガザにアシュドド、アシュケロン、ガテ、エクロン。その領土は豊かだが、沿岸部の湿った風と、海洋の民としてのしたたかさを思い起こさせる。さらに南へ、エジプトの小河シホルに面する地から、北はエクロンまで。カナン人の領域。そして、シドン人の町アフェクから、アモリ人の境界、さらには北のレバノンの麓、バアル・ガドからハマテの入口まで。
「また、すべてのシドンびとについて、わたしは彼らをイスラエルの前から追い払うであろう。ただ、あなたはわたしの命じたとおりに、この地を、くじをもってイスラエルに、相続として分け与えなければならない」
声が去った後も、ヨシュアはしばらく動かなかった。残っている地は、確かに広大だった。老いというのは、達成の感覚に水を差すものだと思っていたが、主は違うことを告げた。終わりではなく、約束の継続を。彼はゆっくりと立ち上がり、腰の痛みを覚えながらも、背筋を伸ばした。暗闇の中で、かつてモーセから託された使命の重さを、改めて咀嚼する。すべてを占め尽くすのは、彼の世代ではない。それでも、割り当て、備えることはできる。
次の日、ヨシュアは祭司エルアザルと、各部族の長老たちを集めた。会衆の前で、彼の声は枯れていたが、揺るぎがなかった。
「主が告げられた。わたしは老いた。しかし、約束の地は、わたしたちの目の前に広がっている」
彼は、砂の上に杖で線を引いた。ヨルダン川の流れを描き、東と西を分かつ。
「主はすでに、ルベンの子孫、ガドの子孫、およびマナセの半部族に、この川の向こうの地をお与えになった」
語りながら、彼の目には、かつて彼らと共に戦った荒れ野の戦いがよみがえる。シホンの王国、オグの王国。アルノン川の渓谷の深さ、ギルボア山の斜面。彼は地名を一つ一つ、ゆっくりと列挙していった。それは単なる地理の羅列ではなく、血と汗と祈りで刻まれた記憶の地図だった。
「ルベンびとのために獲られた地は、アルノン川のほとりのアロエルから始まり、ミデバの平原全体、ヘシュボンに住んだアモリ人の王シホンの町々…」
言葉に合わせて、長老たちの顔に、自らの相続地を確認する安堵と責任の色が浮かぶ。ヨシュアは、彼らの父たちがモーセに懇願し、家畜の多いこの地を求めたことを思い出した。約束は守られた。
「ガドびとには…」
彼は息継ぎをし、少し間を置いた。年を取ると、長く話し続けるのが辛い。しかし、誰も急かさない。一同は、神の割り当てを聞くために、息を殺していた。
「ヤベシュ・ギレアドから、アンモンびとのすべての町々、ラバをも含む。また、ヘシュボンからラモテ・ミツパ、さらにベトニムラに至るまで」
地名が積み重なる。谷あり、丘陵あり、川あり。相続とは、単なる土地の分配ではない。それぞれの地形が、その部族のこれからの生業と試練を決めていく。荒野で遊牧をした民が、ぶどう畑やオリーブの林を管理する者となる。その変容の途上に、彼らは立っている。
「そして、マナセの半部族には…」
マハナイムからバシャン全体、オグの王国の全土。六十の城壁のある町々。ヨシュアは、バシャンの雄牛のように巨大だったオグの鉄の寝床の話を、若い者たちが聞きたがったことをふと思い出す。恐怖は、今や伝説に変わりつつあった。
詳細は続く。境界線は、ある時は川に沿い、ある時は山の尾根に定められる。荒野の道、水の湧く場所、隣接する他民族の名。これらすべてが、神によって「すでに与えられた」相続地として宣言される。東側の地は、戦いによって得られ、今は分配の時を迎えている。西側の未だ得られぬ広大な地に対して、確かな礎となる。
集会が終わり、人々が去っていく時、ヨシュアは一人、再び夕暮れの空を見上げた。主が言われた。「わたしが彼らを追い払うであろう」。この言葉が、彼の胸中でゆっくりと実を結んでいく。彼自身の役割は、すべてを成し遂げることではなかった。約束の枠組みを据え、信頼をもって次の世代に手渡すこと。残る地への憧れと、既に与えられた地への感謝。その両方が、老いた将軍の心を静かに満たした。
彼は、割り当てのくじを準備するよう、若い祭司たちに指示を出した。くじは、人の思いを超えた神の配分を表す。全ては主の手中にある。ヨシュアは、冷え始めた夜気の中で、かつてモーセがネボ山で見渡した約束の地全体を、今、彼もまた別の形で見ているのだと感じた。完全ではないが、確かな前進。そして彼は、やがて来るべき完全な取得の日を、まだ見ぬイスラエルの子らに託して、一歩一歩、幕屋へと歩みを進めたのである。




