聖書

闇に呼ばれる霊

日が暮れ、ギルボアの山裾に張られた陣営には、薄暗がりが忍び寄っていた。サウルは幕屋の入口に立ち、遠くペリシテの軍勢の営火が、まる地を這う蛍の群れのようにちらつくのを眺めていた。風は冷たく、彼の外套の端を揺らす。かつては主の油注がれた者として、この国を治める者として、どれほど確かな歩みをしていたか。今や、その足元は砂のように揺らいでいる。心の中には、深い井戸のような空洞が口を開け、祈りの言葉を投げ入れても、こだまさえ返ってこない。主はもはや、夢によっても、ウリムによっても、預言者によっても、彼に答えてはくださらなかった。

「王よ、夜食を。」

従者の一人が慎ましい声で呼びかけた。サウルは振り向きもせず、ただ遠くの灯火を見つめたままうなずいただけだ。食物が運ばれ、彼は手をつけたが、喉を通らない。恐れが、内臓を締め上げるようにして押し寄せてくる。明日、いや、もう今日が明ければ、ペリシテの鉄の戦車が谷を埋め尽くす。その光景が目に浮かぶ。

「エンドルに、口寄せの女がいるという話を聞いたことがあるか。」

ふと、彼自身も意図せず言葉が零れた。幕屋の中はしんとした。従者たちは顔を見合わせた。王自身が、かつて国中から口寄せや霊媒を追い出せと命じたではないか。

「……聞き及んでおります。しかし、王よ、そのようなことを——」

「わたしは知っている。」

サウルの声は荒れていた。疲労と焦燥が、言葉の端を鋭くしていた。

「しかし、他に道はない。主がわたしを顧みられない。何かしら示しが欲しい。将来のことが……見えぬ。」

彼は深く息を吸い込んだ。夜の闇が濃くなるにつれ、理性の綱が緩んでいくのを感じた。かつてサムエルが生きていた頃、あの厳しくも慈愛に満ちた老預言者の声を思い出す。今、あの声が聞きたい。たとえ叱責であっても、何か言葉が欲しい。

「共に来い。変装しよう。誰にも気づかれるな。」

こうして、闇を纏った二人の男が陣営を抜け出した。月は細く、雲間をすり抜ける微光が、不気味なまでに岩肌を浮かび上がらせる。エンドルへの道は険しく、足元の石ががたつき、夜行性の獣の遠吠えが、谷から響いてくる。サウルは、王としての威厳などどこにもない、ただの怯えた老人のように歩いた。従者は無言で、ただ主君の後ろを固く付いていく。

ようやく見つけた女の家は、村の外れの窪んだ場所にひっそりと建っていた。戸を叩く音が、あまりに大きく響きすぎたかもしれない。しばらくして、わずかに隙間が開き、警戒した片目が覗いた。

「何の用だ。こんな夜更けに。」

「話がしたい。中に入れてくれないか。」

サウルは意図的に声を低くした。彼は変装していたが、その背の高さや何かの気配に、女は疑念を抱いたに違いない。戸が開き、二人は低い天井の部屋へと招き入れられた。炉の火がぼんやりと室内を照らし、壁には奇妙な形の器物や乾いた薬草がぶら下がっている。空気が重い。

「お前は口寄せができるという。ある者の霊を呼び出してほしい。」

女はぴたりと動きを止めた。目が細くなり、サウルの顔をじっと見つめた。

「お前さん、わたしを罠にかける気か。口寄せや霊媒は、この国から追い出されると王が命じたことを知らないのか? わたしの命まで狙うつもりか?」

その瞬間、サウルの中の何かが折れた。彼はもはや演じ続ける力を失った。深くうなだれ、肩の力が抜ける。

「主は生きておられる。わたしは誓う。このことによってお前が罰せられることは決してない。」

沈黙が流れた。炉の火がぱちりと音を立てた。女はため息をつき、ゆっくりとうなずいた。

「では、誰の霊を呼び出すというのか。」

「サムエルを呼び出してくれ。」

女の顔から血の気が引いたのが、仄暗がりの中でもはっきりわかった。彼女は一歩後退り、唇が震えた。

「わたしに何をさせるというのだ。あなたは……あなたはサウル王ではないか。」

王は答えなかった。それは肯定に等しかった。女は目を閉じ、深く呼吸を整えると、ようやくうなずいた。彼女は床に座り、いくつかの動作を始めた。何かを唱えるのか、その声はかすかで、言葉にならない呟きのようだ。時間が歪む。炉の火の揺らぎさえ、遅くなったように感じる。

突然、女は鋭く息を呑んだ。目を見開き、部屋の隅の闇を凝視する。サウルも従者も、その視線の先を見た。そこには、何かが立ち現れつつあった。ぼんやりとした、しかし確かに人間の姿。白い衣をまとった老人の姿だ。女は恐怖に打ち震え、声を絞り出した。

「あなたは、わたしを欺きました。あなたこそサウル王です。」

しかしサウルは、もう女の声を聞いていなかった。その姿を見た瞬間、彼は地にひれ伏した。顔を伏せ、全身が小さく震えている。

「……サムエル。」

ひしひしと、その存在感が部屋を満たした。呼び出された老預言者の霊――あるいは、主が許容された何かなのか――は、サウルを見下ろすようにして立っていた。

「なぜ、わたしを呼び起こしたのか。わたしを煩わせるとは。」

その声は、生前のそれよりさらに冷たく、遠く、厳しいものに聞こえた。サウルは顔を上げられなかった。

「わたしは非常に窮している。ペリシテが戦いを挑み、神はわたしを離れ、もうどのようにもわたしに答えられない。預言者による夢もない。それで、あなたを呼んで、どうすればよいか知ろうと思った。」

再び沈黙が訪れた。重苦しい、圧倒されるような沈黙。そして、サムエルの声が響いた。それは宣告の言葉だった。

「主があなたから離れ、あなたの敵となられたのに、あなたはなぜわたしに尋ねるのか。主はすでに、あなたを通して語られた。主は王国をあなたの手から裂き、あなたの隣人ダビデに与えられた。あなたが主の声に従わず、その激しい怒りをアマレクに執行しなかったからだ。主は、今日、あなたとイスラエルをペリシテの手に渡される。明日、あなたとあなたの息子たちは、わたしのもとに連れ来られるのだ。主はイスラエルの軍勢をも、ペリシテの手に渡される。」

その言葉は、鈍い刃物のように、サウルの体躯を貫いた。彼はその場に崩れ落ち、大きな体が地面に伸びたまま動かない。顔は土色になり、目は虚ろだった。恐怖が、すべてを支配した。肉体的な力が、文字通り抜け落ちていくのを感じた。

長い時間が過ぎた。やがて女が近づき、彼の様子に気づいて慌てた。彼女は、さきほどの超自然的な体験の恐怖以上に、今目の前で崩壊している王の姿に、ある種の憐れみを覚えた。

「ご覧ください。はしためはあなたの言うことを聞き、命をかけてあなたの言葉に従いました。ですから、どうか今、はしための願いを聞き入れてください。このパン一切れを食べ、力を取り戻してください。そうすれば、道を行く力が出ます。」

しかしサウルは首を振った。動くことさえ難しそうだった。従者もまた勧め、女が急いで肥えた子牛を屠り、種なしパンを捏ねて焼く。その営みの音と香りが、仄暗い部屋に生気を少し取り戻させた。ようやくサウルは起き上がり、無言で食物を口にした。味わうというより、ただ栄養を摂る行為だった。

夜が明け始める前に、彼らはその家を後にした。女は戸口に立ち、二人の暗がりに消える後ろ姿を見送った。彼女の顔には複雑な表情が浮かんでいた。サウルは歩きながら、東の空に広がる最初の薄明かりを見上げた。その光は、希望ではなく、迫り来る運命の始まりを告げるように思えた。ギルボアの山は、黒いシルエットでそびえ、明日、いや今日、その裾野で何が起きるのかを、すでに知っているかのように静まり返っていた。彼の足取りは重く、心にはサムエルの言葉だけが、鐘の音のように繰り返し鳴り響いている。王国は失われ、息子たちは死に、軍勢は敗れる――すべてが定められた通りに。彼はただ、その時を待つだけの、空っぽの器となって歩いていった。

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